Miracle of the rose | ナノ


▼ 015


翌日エリザベートとフェルゼンは本日もベルサイユ宮殿にいた



いきなり馬に乗りたいと言い出したマリーにノアイユ伯夫人が悲鳴をあげた


「えーっ!?馬にですって?な、な、な、なんてこと!!とんでもございません!もしものことがあったらどうなさいます!?お転婆にもほどがございます!!」


ノアイユ伯夫人の言葉にマリーはぶすぅとしながら不満の声を上げた


「どうして私だけ馬に乗ってはいけないの?」

「身分をお考え下さいまし!未来の王妃様に万が一のことがあってはこのフランスは・・・!!」

「まあまあまよいではないかノアイユ伯夫人。オスカルも一緒だしアンドレもおる少しだけなら・・・」

「王太子様はアントワネット様に甘すぎます!!」


ノアイユ伯夫人は叫んだがもちろん王太子が許可したのにアントワネットの願いを叶えないわけにもいかなくなり一行は外へ向かった


馬を準備したオスカルは自分は警護に専念するため信頼できるアンドレに引き綱を任せることにした



「よしアンドレひきづなをとれ!」


馬に乗ったマリーはよほど楽しいのかキャッキャッと喜んでいた
そんなマリーにアンドレが手綱の持ち方を教え馬の脇腹を蹴らないよう説明していた


『馬に乗るのも大変なのね』

「エリザベートを1人で載せるなんてことはしないから大丈夫さ」

『ミィシェーレに帰ったらハンスが教えてちょうだいね』


ハンスとそんな話をしているとマリーが馬の上から手を振って私を呼んだ


「楽しいわ!シシィも乗ってみるといいわ!!」

『私も?』


アンドレが手綱を握ってくれているしただ座っているだけなら大丈夫かしらと思いマリー達の方に歩いていく


「アンドレ、私はもういいからシシィを乗せてあげて」

「かしこまりました」



そう言ったアントワネットにアンドレは従いアントワネットを降ろしエリザベートを馬に乗せた


『すごい・・・視界が全然違う』


今まで馬車に乗ることはあっても馬に乗ることなんてなかった
それこそ前世では乗ってたのは公共交通機関の乗り物か実家で乗せてもらう車後は自転車くらいだったし
遊園地やテーマパークのアトラクションとも違う

高さが違うだけでこんなにも見える世界が違うだなんて───と私が感動していた
その時アンドレが石を踏みよろけ謝って肘で馬の脇腹を叩いてしまい馬はヒヒヒィーーンと鳴き走り出してしまった

もちろん初めて馬に乗った私がそれに耐えられるわけもなく馬にしがみついて叫ぶことしかできなかった


カッ カッ カッ


『きゃああああー』

「シシィ!」

「エリザベート!!」

「エリザベート様!!」


マリー達が私の名前を叫んでいるようだけど私は誰か助けてと思いながら必死に馬にしがみついた


「それぇー!!」

『だれかーっ』


必死に追いかけていたオスカルは目の前に迫っている崖に気がついた


「ハッ!前は崖だ!馬を止めている暇はない!!」


もうこうするしかないと決心したオスカルはエリザベートに叫んだ


「エリザベート様!目を閉じていてください!!」

『オスカル様!』

「はーっ!!」


オスカルはエリザベートの乗る馬に飛び乗りそして自分が下になるよう馬から飛び降りた
ドス・・・ン!落馬するオスカルとエリザベートに追いついたフェルゼン達が駆け寄ると2人は気絶していた










謁見の間には王の前に膝間尽かされたアンドレ
そしてそれを見ている貴族達がいた───



「アンドレこの不祥事を引き起こした責任の大きさは覚悟してあろうな!?ミィシェーレ王国の王女に怪我を負わせた。偶発時とはいえ死刑は免れまいぞ!!アンドレの逮捕状を!!」


大国であるミィシェーレの王女に怪我をさせたなど下手したら戦争が起こってしまうではないかと思ったルイ15世はアンドレに責任を取らせようとしていたが騒ぎ話聞きつけたオスカルは怪我をして辛い体に鞭を打って広間へ駆け込んだ


「お待ちください!!」


オスカルはアンドレの前にたち叫んだ


「おまちを・・・ノアイユ伯夫人、メルシー伯、王太子殿下そして他の方々!!みんな見ておられたはずだ!!不注意とはいえアンドレに罪はない!!もしも・・・もしもどうしてもアンドレをお咎めになるならば・・・」


オスカルは剣を抜いた


「ジャルジェ家の名において正式の裁判を要求いたします!!さもなくば・・・アンドレの責任は主人である私の責任…まずここでこのオスカル・フランソワの命をたってからにされるが良い!!」

「国王陛下!!」


エリザベートの看病をしていたアントワネットが駆けてきた


「妃殿下!!」

「陛下!!あぁどうか・・・どうかだれにもお咎めのないように・・・!!悪いのは全てアントワネットでございます・・・私が##NAME1##に馬に乗ってはと言ったから行けなかったのです!!あぁ陛下どうか、どうか・・・だれにもお咎めのないように・・・どうかお願いいたします!!」

「だがしかし、ミィシェーレ王国にはなんと申すのだ!!怪我を負わせたことはもうミィシェーレに通達されておろう
!!」

『国王陛下・・・!!』


フェルゼンに支えられたエリザベートが来たことにオスカルや広間にいた貴族達は驚いた


「##NAME1##様!!」

『国王陛下、悪いのは私でございます!私が馬に乗ったのがいけなかったのです!!どうか、どうかだれにもお咎めのないように・・・私からもお願い申し上げます・・・ミィシェーレには私の不注意と報告するように言いました!!どうかアンドレとオスカルにお咎めのないように・・・お願いいたします・・・だれにも罪はありません!お願いいたします・・・』


涙ながらに訴えるエリザベートに流石の王も何も言うことができなかったためアンドレに咎めがないよう言うしかなかった


「よかろう・・・王女がそれほどいうのなら今回のことだけは一切咎めのないようにしよう」


国王陛下の言葉を聞きアンドレは涙を流した


「アンドレそなたは良い主人をもったぞ」

「陛下・・・!!」

『良かった・・・』


安心し倒れるエリザベートそしてオスカルもそれに続くようにそれに倒れた





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