Miracle of the rose | ナノ


▼ 009


翌日の宮殿はバタバタしていた




「姫様お相手の方がいらっしゃいました」

『わかったわ』




予定より少しはやく着いたのね

カウチから立ち上がりばあやを連れて婚約者が待っている部屋へ向かった




やっぱりフェルゼンのことを考えてしまい少し視線を下に向けながら部屋に入るとお母様が婚約者を紹介し名前を聞いたところで驚き下に向けていた視線を婚約者にむけ驚いた

だってお母様は今なて言った?
ありえないミィシェーレの王女である私の夫としてその人の身分では少し無不相応なわけで
それにお母様が彼のことを知ってるはずないからありえないのに


でも目の目にいるのは彼で


『ハンス?』

「エリザベート・・・」



ハンスの優しい眼差しに涙が出そうになった




「エリザベート。あなた達の関係は以前から知っていました」

「シシィ君のお母様から半年程前に手紙を頂いたんだ」

『なんで・・・だって私』




隠してたのに
そこでハッとした───だって彼のことを知ってるのは私、ルカそしてばあや
ルカが言うはずないから1人しかいないじゃない───ばあやだ
ばあやが言ったんだ
多分ばあやは私たちの会話を聞いていたのだ───ずっと
だから私がこの気持ちに気づく前に私の気持ちに気がついたばあやが彼のことをお母様達に話したのだ
それしか考えられない



「エリザベートあなたには幸せになって欲しいのよ・・・昨日話した時にショックを受けているあなたを見て彼しか#名前
#にはいないのだと」


お母様はそれからどんな手紙のやり取りをしたのか話してくれた
いまだに信じられない私にフェルゼンが手を握ってくれた

フェルゼンの手は暖かくて本当に彼がここにいて私の婚約者になるのだとさっきは我慢できた涙が私の目から溢れた
それを指で優しく拭ってくれるフェルゼンに私の涙はさらに溢れた


「エリザベート」

『ハンス、私』

「婚約の話を手紙を頂いた時は信じられなかった。スウェーデンの伯爵家でる私にミィシューレ王家の姫であるエリザベートの夫になって欲しいなんて信じられるわけがなかった。それも王妃様の手紙だなんて」




お母様が手紙を送りフェルゼン伯爵家に婚約をもちかけた───
ミィシューレの姫が嫁ぐのであれば何処かの王家または公爵家が妥当なところなのに

お母様はずっと娘てある私を大切にしてきてくれたけどまさかここまで大事にしてくれてるなんて思いもしなかった
だって私はいつか嫁いでミィシェーレ王家からは出て行く人間だから



「それからも何度か手紙を頂いたんだ。手紙のやりとりをしている間本当に私たちの婚約を望んでくださっているんだと感じ父とも話して婚約をお受けすることにしたんだ。それに私がフランスに遊学することをお伝えしたらエリザベートがフランスへ行くことも許して下さった」




フェルゼンはエリザベートの手を握りエリザベートに全てを話した───




「エリザベート。ハンスくんとフランスへ行きなさい」

『お父様・・・』

「今回ハンスくんに婚約者を決めたのはエリザベートとハンスくんが想いあっているからだけではないよ」



お父様の次の言葉に私は目を見開き驚いた



「エリザベート。君にはこの国の私の次の王としてフランスで学んできてもらう。そのために様々な国で学んできた彼は王配となるのに資格十分だと思ったのだよ」



なぜ?次期国王である王太子には近いうちにお兄様達の誰かがなると思っていたのに




「皆と話決めたことだ。そなたの兄達も納得しているよ」

『私は、私は相応しくありません。相応しいのはお兄様達です』

「エリザベート」

『私は王になる器ではありません』

「今はそうかもしれない。だが国民のことを1番に考えているのはエリザベート。君だよ」

『それはお兄様達がミィシューレにいたら同じように考えたはずです。私が1番ミィシューレにいる時間が多いからそう思われるだけです』




私が王?お兄様達がおらず私だけならそれでもいいかもしれない。
でも私には優秀な兄がいるんだから私がなる必要なんてないじゃない

それに私は怖かったのだ
もし自分が革命で殺されてしまったらと

散々フランス革命をなんたらと話していた癖に私は自分がその立ち位置になった時のことを想像して恐怖を覚えた

お父様は素晴らしい王だ
21世紀に生きていた私が過ごしやすいと思う程にこの国は過ごしやすくどの国民も生き生きとしてる
でも自分が王になって失敗してしまったら?
国民だって今の生活を維持できなくなって今は姫様姫様って慕ってくれるけどダメな王では恨まれ憎まれ
それに私はきっと耐えることはできない




「 彼ならエリザベートが女王となった時に力になってくれると思ったから婚約を私も認めたんだ」

「私はエリザベートと共に生きていくことを望んだ」

『お父様・・・ハンス・・・』

「先ずはフランスでハンスくんと学んできなさい」

『はい・・・』




お兄様達が戻ればまた考えも変わるはず
でもお兄様も私もいい歳には間違いない
これまで王太子をたてず国内で噂とかが一切なかったのは兄達が優秀すぎて決められなかったためなんだから
お兄様達が戻ったらお兄様達の中からお父様達も選ぶはずだもの
でも万が一の時のことを考えてしっかり学んでこなきゃ
私だって王家の人間なんだから・・・





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