ヒッタイトの風と共に | ナノ


▼ 001


ハットゥサ

紀元前14世紀
ヒッタイト帝国の首都



21世紀でいうならトルコ共和国の中央部
アナトリアあたりになる



そんなヒッタイトに彼女はいた



『サラ』

「はいマリア様」

『何かが起こるわ・・・』

「え?」

『・・・・・・・(原作がはじまる)』


マリアの美しい金髪の髪を入口から入ってきた風が揺らす

マリアは泉がある方向を見つめた次の瞬間風からの知らせにマリアは


小声で『くる・・・』 と呟きサラを連れて泉へ向かった
───泉の方へ向かっていると夫であるカイルが気に背を預けていた


「マリア」

『殿下』


マリアが喋ろうとした時黒髪の少年のようにも見える見慣れない服装の少女が現れたのを見てやはり原作は変わらないのだと思った


『皇妃様の私兵が来るからこちらに』


こちらへ来るよう言うが少女は言葉が分からないのかそれとも警戒をしているのかこちらへは来ず引き返そうとしたが少女の背後から皇妃の私兵がこちらに向かっているのが見えた
無理矢理でごめんなさいと思いながらも見つかるわけには行かないと少女の手を引き自身のマントを被せ木の陰に隠した


「マリアこの者は」

『後程ご説明しますわ』


自分を不思議そうに見てくるカイルに抱きついた
殿下は私が滅多にしない行動に一瞬驚いつつもすぐに嬉しそうに抱きかえし口づけを落としてきた


『殿下皇妃様の私兵が来てるんですよ!』


と少し強めに言ったのに口付けだけでは足りないとばかりに押し倒し間にいた少年にも見える少女を横にずらし自分のマントで隠しもう一度口付けをしてきた


「おいこっちに娘が来ただろう!!」

「どっちに逃げた!!」


兵士達の声にカイルは口づけをやめ下にいる私に「あれは娘なのか?」見つめるてきたため『黙ってて下さい』と視線で訴えかけた


「・・・さあて気がつかなかったな。愛する妻といるときは特に他の女性は目に入らないんでね」


といいマントから顔を出しそう答えるとまさか皇子であるカイルがここにいるとは思わなかった兵士達は驚いた


「こ・・・これはカイル様・・・・・」

「カイル様が何故このようなところに」

「あ、あの・・・わたし共は娘を・・・」

「妙な格好をした娘がこちらへ来たはずなのですが・・・」

「知らぬといっただろう!?」

『殿下。彼らも仕事をしていたのですからそのように大声を出さないであげてください』

「マリア様!!」


少女が見えないようにしながら起き上がり兵士たちに微笑みその後申し訳なさそうな顔をしながら言った


『ごめんなさい本当に知らないのよ・・・・・お力になれなくて申し訳ないわ──』


兵士達は本当に私までいるとは思わなかったようで驚いていた
彼らには申し訳ないとも思うけどでもここでバレるわけにはいかないの


「あ、いえ・・・」

「こちらこそ申し訳「わかったなら失せろ!!」
「ははっ」


カイルが邪魔をするなと苛立ちながら兵士達に言うと兵士達は慌てて去って行った


「マリア」

『殿下申し訳ありません…殿下にまでご協力いただいてしまうだなんて・・・』


自分だけで解決する予定だったけれど殿下のお手を煩わせてしまったわ


「あの少女は何者だ」

『わかりません。ただ放っておけなかっただけですわ』


原作のことを言うのは良くないと思ったためとはいえ殿下に嘘をついてしまったわ

でも私が原作を知っていると知られる訳にはいかない
ユーリのことを知らないと嘘をついてしまったことに申し訳ないと思いながらとにかくこの後の流れだけは変えなければと頭を悩ませたがまずはユーリに信頼をしてもらわなければとマリアはユーリに近づきユーリの顔の前に手を当て少ししてから手を下ろした


『言葉わかるかしら?』
「!?わ、わかります」


言葉が通じるようになったユーリに『よかったわ』といい微笑むと後ろから顔を出したカイルが指を顎に当てながらユーリの下から上までを見て呟いた


「それにしても皇妃の私兵が言ったとおり妙な格好だな・・・だが少女───少年に見えるが」

『殿下!!』

「ッ…助けて頂きありがとうございましたッ」


カイルの言葉にムッとなったユーリはカイルを睨んで走り去って行ってしまった

なんでこういつもいつも私以外の女(ひと)に無神経なことばかり言うのかしら!!
とにかくユーリを止めないと


『待って!!』


マリアが少女を呼び止めるが少女は止まらず走り去ってしまうのであった・・・


『殿下!なんて事を言うんですか!!』

「そんな怖い顔をするな冗談だ」

『冗談に聞こえませんでしたわ!!』

「マリア落ち着くんだ」


抱きしめ落ち着くようカイルが言ってくるけれどもちろん落ち着けるはずもなく落ち着くカイルに怒った


『皇妃様の私兵が追ってました!絶対に何かが起こります!!』


そんなマリアに何かあるのか───とようやく感じたカイルは傍に控えていたサラを呼んだ


「サラ」

「はい殿下」

「皇妃の行動を調べろ」

「はっ」


サラはカイルの腹心であるイル・バーニ等と調べるべく宮殿へと去って行いった


「マリアすまなかったひとまず宮に帰ろう」

『申し訳ございません。殿下だけが悪いわけではありませんのに』

「謝ることはない」


カイルに支えられてマリアは宮に帰って行くのであった・・・





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