▼ 004
「マリア、メンフィス様がお呼びです。さあ、マリアこちらへ」
マリアが広間に入ると
「おー!!」
「おお!!」
「美しい・・・」
「マリア!」
キャロルに呼ばれたマリアはキャロルに微笑むマリア
その微笑みを見たメンフィス達は言葉を失った
なんて・・・なんて美しいのだ!!
まるで、ナイル川に咲く蓮の花のようでわないか
「ここへ来い、マリア!!」
『きゃっ!!』
「マリア!!マリアに酷いことしないで!!」
「黙らぬか!!」
バシッ!!
「きゃっ」
『キャロルさん!!
どうして・・・どうしてこんな酷いことをなさるのですか!!奴隷として貴方が扱っている人たちも貴方と同じ人間なのです!!貴方は奴隷の人たちをあんな風に使っていいわけじゃない!!』
「う、うるさい!!うるさい!!うるさーい!!私は偉いのだ!私はこの大国エジプトの王だ!!奴隷達を使って何が悪い!!」
『国民を大切にできない王では国がダメになるわ!!!王』
「うるさい!!そなたは黙って私の横にいれば良いのだ!!
お前が私に逆らえばあの少年がどうなるかわかっているのか?」
『そうやってすぐに脅して貴方は卑怯だわ!!』
「卑怯・・・卑怯でもなんでも構わん!!マリアそなたは今宵私の側を離れてはならん!!」
マリアは腰を抱いてくるメンフィス
「まこと金の糸のような髪。良い娘だ。本当ならばあのマリアという娘が良かったがあの娘の側には王がいるゆえそなたなら・・・」
キャロルの髪に触れるカプター大神官はニタニタと笑っていた
「ビクッ」
キャロルの髪に触れ満足したカプター大神官は1度キャロルから離れ広間の中央へ行く
「さて、今宵大臣方皆お揃いのこの席で・・・メンフィス王に申し上げる」
「なんだ。カプター大神官」
「上下エジプトを司る王メンフィス様に神の御前で行った星占いによる結婚をお勧めいたします」
「なんだ結婚の話か。考えておるわ」
「わがエジプト人は古来より血統を重んじてきた。よってメンフィス様の花嫁には姉君…アイシス様こそふさわしい花嫁と星占いに出た」
「賛成だ」
「賛成だ」
「賛成だ」
「我々は同意する」
「姉上はかったな」
「おおメンフィス愛しているのです」
「よし、わかった。今日より一ヶ月ののち結婚の儀をおこなう」
結婚などどうでもよいわ
「それでは明日全国にふれを出しますぞ」
「私は都を築く工事を急がねば・・・」
「おお!?嬉しいわメンフィス!!」
「!?」
メンフィスに接吻をするアイシス
「貴方を永遠に愛します」
「祝いじゃー!!」
そ、そんなメンフィス先ほど貴方は私に!!とメンフィスとアイシスの姿を見てミタムン王女が悲しそうに悔しそうにしていたことは誰一人として見ていなかった・・・・・・
「ナフテラ」
「はい」
「マリアを部屋へ連れて行け」
「かしこまりました。キャロルはどうなさいますか?」
「キャロルは後でも構わぬ。とにかくマリアが脱走などをしないよう見張りをつけるのも忘れるな」
「かしこまりました・・・マリア参りましょう」
『・・・・・・・・・・』
黙ってメンフィスから離れナフテラについて行った
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