▼ 003
宮殿へついたメンフィスは姉であるアイシスへ報告しようとアイシスを呼んだ
「姉上!姉上はどこだ!姉上!!」
「あの声はメンフィスが帰ってきたのですね!!」
「はい。只今お帰りになりました」
金色の少女キャロルを探しにいってしまったと思っていたアイシスはメンフィスが帰ってきたことに喜びメンフィスの声が聞こえる宮殿の入り口へメンフィスの名前を呼びながら向かった
「メンフィス!メンフィス!!」
「姉上!ごらんなさい!!金色の髪の娘を2人も捕らえてきました!!まるで黄金の糸のような髪珍しい獲物だ!!」
「メンフィス様、その娘は・・・」
騒ぎが気になり入り口へ来ていた邪魔な存在であるヒッタイトの王女であるミタムンなど視界に入らないくらいアイシスは衝撃を受けていた
あ・・・や、やはりキャロル・・・
それにキャロルと共に連れてきた娘・・・生きていたのか!!
メンフィスが娘にこんなに興味を持ったのは初めて!!
その娘が皮肉にも私が古代へ引きずり込んだ者たちだとは!!
呆然と立つアイシスに気がついたキャロルは叫んだ
「アイシス、私よ!!キャロルよ!!なぜ私たちを古代へ連れてきたの!?私とマリアを現代の世界へ帰して!!お願いよアイシス!!」
「放せ、キャロル!!」
「なんだ姉上!この娘を知っているのか?」
「アイシスお願いよ!!」
「いいえ!!知りませぬ!!」
ひかえい!!無礼な!!そなたは何者だ、なぜ私の名を呼び捨てにする!!」
アイシスがキャロルを叩こうとした瞬間キャロルの前に金色が入り込み
バシーン!!!!!!!
「マリア!!」
『大丈夫?キャロルさん?」
「マリア・・・私を庇って・・・ごめんなさい・・・・・ごめんなさい!!マリアッ」
『私は大丈夫。たくさん私を助けてくれたキャロルさんに怪我がなくて良かったわ・・・』
そう言ってキャロルに微笑んだのをみた見ていたメンフィスは
なんと・・・自分が傷つくのもためらはず前に出て行くとは・・・と美しくも強いマリアにさらに興味をそそられたが
しかし、アイシスは邪魔をしてきたマリアに腹を立ててしまった
「女王である私の前に出てくるとは無礼な!!2人とも地下牢に放り込め!!」
「はっ!!アイシス様!!」
「待てい、この娘たちは私が捕らえてきたのだ!!今宵の宴席にはべらせる!!」
「メンフィス!!」
「ナフテラ、ナフテラ女官長」
「はい。メンフィス」
「この娘たちを湯浴みをさせ身支度させて連れてこい」
「いやよ!!はなして!!私達は奴隷じゃないわ!!」
「陛下!!宮殿へ忍び込もうとした奴隷を捕まえました!!」
「セチ!!」
『セチさん!!』
「はなせー!はなせ!!#名前#!!キャロル!!」
「私達を助けようとして・・・」
「ほう。そなたらキャロルとマリアと申すのか。キャロル、マリア大人しくいうことを聞かねば
あの少年を死罪にするぞ?」
「!?」
『・・・・・・・』
「その奴隷を地下牢へつなぎムチ打てい!!」
『セチさん!!』
セチへ手を伸ばすマリアを行かせまいとメンフィスは抱きしめた
「僕のことは気にするな!!」
「だまれ!!」
ビシーン!!───うわぁぁぁぁぁぁ!!
セチの悲鳴が響き渡る───
「やめてー!!」
『ひ、ひどい・・・』
「お前が大人しくいうことを聞かねば死ぬまでムチを打たせ続けるぞ」
『そんなひどいことはやめて!!』
涙で濡れている顔を覆いなが叫ぶマリアとメンフィスの足に縋り付きながら訴えるキャロルにメンフィスは言った
「私は王だ、王に逆らうことはできぬ。ムチ打ちを止めさせたければ足もとに這いつくばり私の足に接吻しろ
───さあ、どうする」
それは、ヒッタイトでカイルの正妃だったマリアからすれば屈辱的なこと
しかしマリアは───迷わずメンフィスの足に接吻をした
これにはメンフィスも驚いたようであったが約束通りに鞭打ちをやめさせた
「よーし、ムチ止めてやれ!!」
「マリア・・・大丈夫!?マリア・・・?」
マリアは泣いていた・・・
陛下・・・私は、私は・・・陛下の正妃として屈辱的なことを・・・
ですが私は後悔はしておりません・・・
私が我慢したことで助けてくださったセチさんの命が救われたのですから・・・
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