Throughout the ages | ナノ


▼ 002


呆然とたたずむ人影をおとしていましも・・・

太陽の神ラー沈みゆきぬ・・・

・・・はるかなる沈黙の砂漠の果てに・・・・・・





シューッ

「あ!しまったまた逃げられた・・・!!」

「セチ!もうおやめ帰りましょう。遅くなるとまた兵士に見つかって酷い目に合うわよ」


パピルスの中に何かを見つけたセチは母を呼んだ


「おかあさん、おかあさんはやく!!」

「どうしたのパピルスの中になにか・・・あ・・・!!金、金色の髪の娘・・・」

「金色の髪・・・初めて見たよおかあさん!!透けるような白い肌・・・奴隷じゃないよこの娘・・・」

「異国の娘だわ!気を失っているのよ!!兵士に見つかったら殺されるわ!!」

「おかあさん!!蓮の花のところにも誰かいるよ!!」



蓮の花のところにも人影があることに気がついたセチはゆくっりと近づいた


はっ・・・な、なんて美しいんだ・・・・・
金色の髪 透けるような肌
身にまとっているのは王族が身につけているようなドレス・・・



「セチ!だれが・・・なんて美しいの・・・」

「おかあさんドレスを身につけてるしこの人どこかの国の王女様か貴族なんじゃ」

「そうかもしれないけれど襲われたってことだろ!見つかったら大変だ!セチ、早く連れて帰りましょう」





























目を覚ましたマリアは周りを見て飛び起き外へ出た


『さ、ばく?』


私は現代のエジプトに行き
キャロルと出会ったのはナイル川のほとりのはず・・・

ふと、砂漠を見ていたマリアの頭の中でザナンザが殺された時のことがフラッシュバックした



『あ・・・、ざ、なんざ・・・皇子・・・』



泣いているマリアにエジプトの若き王となるメンフィスが気がついた

美しい金色の髪 ナイル川のような青い瞳 透けるような肌・・・
何者なのだあの娘は・・・!!!!





「マリア!!」

『・・・キャロルさん私───』

「泣かないでマリア・・・マリア驚かないで聞いて欲しいの。ここは古代エジプトなの・・・」

『古代エジ、プト?』

「そう、古代エジプト。私たちアイシスに連れてこられてしまったの」



そんな・・・古代エジプトだなんて
私は───
イシス貴方は私に何をさせたのですか?



「はっ!!マリアいけないわ!!逆光でよくわからないけど向こうに兵士らしい人がいるわ!!見つかったら大変・・・!!!」



丘になっている方向に人影があることに気がつきマリアの手を引いてキャロルは走った



「あ!!待て、待てーっ!!待てーっ何者!!」

「メンフィス様、アイシス様がお待ちです早く宮殿へお帰りを」


ミヌーエは追いかけようとしたメンフィスを引き留めた


「あれはゴゼン村。おそらくは奴隷娘でしょう」

「なに、奴隷・・・・・」

「さあ宮殿へおはやく」



あの娘が奴隷・・・しかし奴隷ならば都合がいい
あの娘を必ずや我が手に・・・!!!我がものにしてみせる!!











「メンフィス遅かったのですね」

「姉上珍しいものを見つけました!!黄金色に光る髪色に・・・白い膚をした娘!!必ずとらえてやる!!このエジプトでは見たこともない娘だ!!」



宮殿へ帰ってきたメンフィスの言葉を聞いたアイシスはハッとしたがメンフィスは身支度をしていたため気がつかなかった


黄金の髪・・・あ・・・もしやキャロルでは・・・
兵士に発見されて殺されたと思ったのにまだ生きていたのか!!



アイシスの心情など知らない身支度を終えたメンフィスは兵に指示を出していた



「良いか兵士に命じゴゼン村をくまなく探し必ず金色の髪の娘を見つけ出せ!!」

「はっ!!!!!」







わー わー わー  わー!!!



「外が騒がしい。どうしたのかしら」

「キャロル!キャロル大変だ!!兵士たちが君達を探している隠れるんだ!!」

「えー!?」


セチの言葉にマリアは顔を青くした


『私のせいだわ・・・私が外に出たから・・・』

「違うわ!!」

「とにかく見つかったら外国人は死罪だぞ!!」

「私たち逃げるわ!!匿っていたことがわかればみんなに迷惑がかかる!!#名前#行きましょう!」

『キャロル・・・ええ。お世話になりました』



セチたちにそっとキスをし逃げるべく外へでた
───あなた方に女神イシスの加護がありますように




「キャロル!マリア!ナイル川まで送るよ!!」

「セチ危ないわ!!」

『セチさん、』

「行こう!!」

「待って、セチ!!マリア行きましょう!!」

『ええ』








「見つけたか!?」

「あ…メンフィス様。くまなく探しましたが金髪の娘はおりません」

「まぬけめ!!逃げられたのだ!!」



バシンッとメンフィスは鞭で叩いた


「ギャ!?」













「セチ、ここを抜けるとナイル川ね!!」

「うん。水の匂いがするだろう?」

「マリア!!あと少しでナイル川よ、頑張って!!」








「待ちや

 お前達はゴゼン村から逃げてきたのじゃな。では、金色の髪の娘であろう。かぶりものをとれ」

「逃げろ、キャロル!!マリア!!」

「セチ気をつけて!!マリア行きましょう!」



セチにナイフを持った女───アイシスの女官であるアリを任せキャロルとマリアはセチに申し訳ないと思いながらも走った



はあはあ




「早くナイルへ出て・・・マリア、あと少しよ

 あっ!!!!!」


ナイル川へあともう少しというところでキャロルとマリアの前に馬に乗ったメンフィスがあらわれた

周りに兵士たちが大勢・・・!!


「待てい・・・そなたらどこへ行く・・・」

「は、はい。となり村まで姉の病をみてもらいに・・・」


あ、裾から奴隷服が見えてる
見つかってしまうー
それにマリアは肌は黒くしているけれどドレスはあのお姫様のようなままだし・・・
私よりマリアの方が見つかったら大変だわ!!

なんとしてでも逃げなければとギュッとマリアの手を強く握りキャロルは走り出したが今度は周りにいた兵士に道を遮られてしまった



「おっと、待てい・・・顔を見せろ」

「急いでいるんです!!」

「まてー!!待て待て待てー!!」


追ってくるメンフィスから逃げようと無理矢理に突破しようとしたそのとき
その時キャロルのフードがとれてしまい金色の髪が出てしまった


「おお!!見つけたぞ金色の髪の娘!!」

「あ、誰か!!」

「待てい、このメンフィスが狙った獲物逃すと思うのか!!」

「あーっ!!」

「こいつ・・・!?ち、違う・・・この娘ではない!!」


キャロルが探していた娘でないとわかったメンフィスはキャロルといたマリアをみた・・・


『キャロルさん!!』

「そなただ!!しかし、たしか透けるように白い膚のはず・・・!!!」


おかしいと思ったメンフィスはマリアの肩を掴み確認する


『離しなさい!!』

「マリア!」

『キャロルさん!』



キャロルに手を伸ばすがメンフィスは無理やりマリアを川の方へ引っ張っていき川へ突っ込みザバザバと肌の汚れを落としてい
汚れが落ちた頃にはぐったりとしてしまったマリアを腕に抱えたメンフィスは容姿を見て歓喜の声を上げた



「おお!やはり透けるような白い膚!!この娘だ!!」

「メンフィス様!そのように見事なドレスを着ているということは敵国の王女か回し者かもしれませぬ!!」

「ご用心ください!!お命を狙うものかもしれませぬ!!」

「異国の娘など即刻殺すか、捕らえるべきです!!」

「ご用心せねば!!」

「うるさい!回し者であろうがなんであろうが金色の髪は面白い殺すにしろ、生かすにしろとにかく宮殿へ連れて帰るぞ!!まてよ・・・もう1人金色の髪の娘がいたな・・・まさかあやつも白い膚なのでは・・・!!そこにいる娘も宮殿へ連れて帰る!!貴様が連れて参れ」

「はっ!!」


ぐったりとしたマリアを抱き上げメンフィスは宮殿へマリアとキャロルを連れていってしまった




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