Throughout the ages | ナノ


▼ 045


「イシスの娘を守れと命じたのにルカは何をしているのだ!どけい」

「ぎゃあ!血の匂いを嗅ぎつけて他のライオンが集まってくるぞ!」

「イシスの娘がライオンに殺される!」


ルカは何をしている!!



「イシスの娘がライオンに襲われたぞ!!」


うわあああーーーーーーーー


「きゃーーーーっイシスの娘が!!!」

「イシスの娘がメンフィス王を助けようとライオンに向かって行ったぞーーっ」


なっ なにっ
イシスの娘がライオンに?!



「王子大混乱でこれ以上進めません!」

「王子!!」

「きゃーーーーっ」


その言葉を聞いたイズミルはラクダから降り近くにいた民に話を聞いた


「これっ待てい!イシスの娘がどうしたと?申せーーーっ」

「へ、へい。イ・・・イシスの娘がメンフィス様を助けようと手負いのライオンに向かって行ったんでさ」

「されで!はっきり申せ!!」

「あの・・・な、なんでもライオンに捕まったとか。あとは分かりましねぇだ」



わーーーーーーーー
わああーーーー



「どけ!どけい!!」

「王子!」

「王子絵ヒプとへいに見つかってはお命がっ!!」


護衛兵はイズミルを止めようとしたがイズミルは止まらない


「黙れーーっイシスの娘の危機の時!ましてこの大混乱のなか誰も私には気が付かぬ!!」


ルカは何をしているのだ!!






「王とイシスの姫を助けろーーっ」

「あぶない ライオンだーっ」

「右からもきたぞーーーっ」

「あぶないメンフィスさまっ!後ろに!」

「槍を投げればイシスの娘か王に当たる!どうすれば・・・!!」

「血の匂いを嗅ぎつけて集まってきたぞ、王と王妃をお助けしろ!」

「マリア、マリアーっ」

「イシスの娘!」

「ア アルゴンさまっ や・・・やめて横にライオンが」

「うるさい。な・・・なに横に」

「くそっこやつマリアをはなせーっ!」


メンフィス・・・みんなお願い逃げて・・・
このままではみんなも・・・


「イシスの娘!!」

「こいつめ!!」

「くそっマリアをはなせーーーっ!!!しぶといやつめ!!ウナス、後ろから突け マリアから注意をそらせるんだ!ルカその隙にマリアを引きずりだせ!」

『メ メンフィス・・・あぶない・・・っ』

「早くイシスの姫を!」

「えいっ!」

「くそうマリアをはなさぬか!くそう!片目がつぶれてこれほどの傷を受けながらもこやつビクともせぬ!!ますます猛り狂ってくる!!おかしい!普通のライオンならとっくに弱っているはず・・・異常だ!」


メンフィスの言葉でイムホテップはようやく気がついた


これは何者かの企みでは・・・
王と・・・ イシスの娘の婚儀を妨げるためライオンを使いーーーーー
もしや暗殺を・・・・・




「王!気をつけられよ!企みかもしれぬ!そのライオンは狂うておりますぞ!!」

「な、なに!?企み!!」

「衛兵ーーーっ 何をしている!早く王と王妃を!!」


メンフィスの命をねらって・・・・・
ダメよ・・・今はダメ・・・・・今の私ではあなたを助けることができるかわからないのよ・・・・


『メンフィスっいやーっ!逃げて逃げてメンフィスーーっ』

「マリア!!!」


あなたを殺させたりはしない
あなたはこの国の王
変わりはいないのだからーーーーー


『メンフィスを殺させたりしないわっ』


私はライオンの目に刺さった剣を引き抜いた
もう一度刺すためにーーー


「やめろイシスの娘!」

「あーっ !マリア!」

「おっ」

「危ない マリアさま!」

「わああ、イシスの娘!」


メンフィスーっ

今度こそもうダメ・・・と思ったその時
私とライオンの間に入ったメンフィスが盾で守ってくれた


『メンフィス!』

「くそうっ!お前などにマリアを殺させはせぬ!逃げろマリア!逃げろーーーつ」

「お逃げください シスの娘!」

『危ないメンフィス!!』

「いまだ!ライオンにとどめを!ミヌーエ将軍!」

「王をお助けしろっ!」

「ライオンにとどめをっ!」

『はぁはぁ・・・メンフィス!あ!!』


ぎゃあああーーーーーー


『メンフィスーっ』

「あああ、危ない王!」

「くそう!まだくたばらぬっ」

「王!」

「王をお助けしろーっ」


肩を治してメンフィスの治療ができるようにしなければならないのにっ
メンフィスお願いだからこれ以上は怪我をしないで・・・


「イシスの娘・・・ 」


いまだ!皆の心が王に向いている今、イシスの姫をつれ群衆の中に紛れ込めば・・・



『あ・・・ルカ、メンフィスを・・・・・』

「あ、出血が・・・ なんと酷い しっかりしてくださいイシスの姫ーーーとりあえず布でおさえて・・・」


な、なんと肩の肉が裂けている!申し訳ありませんーーーーー
このわたしがお側についていながら酷い傷を・・・・・このお詫びはのちに・・・
王子が・・・ イズミル王子が近くに来ておろはず・・・
あの混乱の群衆の中だ・・・



「イシスの娘メンフィス王はもうご心配いりませぬ 早く手当てを・・・すぐお連れ致しましょう」

『でもルカ私はここを離れたくないわ』


いまだ!イシスの姫を王子の腕に渡さねば・・・・・



『ねぇルカ私はここにいたいのよ』


ルカがマリアをイズミルの元へお連れて行こうとしたその時後ろから何者かが現れた


「どけい下郎・・・ わたしがお連れしよう」


な、何者だこの男。外国の使者らしいが
・・・・・この威圧感ただ者ではない



「さあ」

『あなたは・・・・・アッシリアの使者・・・』

「どけーーーっ。イシスの娘はこの私がお連れしよう」

『いいえ私はここにいます!』


このアッシリア人なんだか嫌な感じがする・・・
この人には関わるべきではないわ


小さな体でライオンに向かって行ったあの勇気・・・



「さあ、遠慮めさるな お連れしようイシスの娘」


んん・・・ん
まことに、まことに気に入った
このアルゴンが国で・・・じきじきに優しく優しく看護してやろうぞ



その時歓声が響き渡った
わー ーーーーー わーーーーー!!


はっ、メンフィスは・・・!!


「メンフィス王が狂ったライオンを仕留められたぞ!」

「マリアーーーッ」

『メンフィス!』

「チッ・・・また」

「しっ アルゴンさまっ」


アルゴン・・・どこかで聞いた名だ・・・


『メンフィス怪我は、怪我はない?!』

「マリア!マリア大丈夫か!マリアしっかりしろ!」

『メンフィス・・・』

「すぐ手当てをしてやる」

『あなたが無事でよかった・・・待っててすぐにあなたの怪我を治すから・・・』

「マリアこのように・・・ふかい傷を受けながらもまだ・・・ わたしの身を案じるのか」


完璧には今の私の肩の状態からして治すことはできないけどでもやらないよりはマシなはず・・・


『メンフィス・・・あなたは私の何よりも大切な大切な人・・・私の命よりも・・・・・』

「マリア・・・」

『そのままにしてて』


やっぱり肩の怪我もあって止血までが限界だわ・・・


・・・・・・・・わたしの為にそなたが流したこの血にかけて・・・
わたしの愛は未来永劫・・・そなたのものだ マリア!
わが妃よ・・・・・


メンフィスは誓うようにマリアの怪我をした肩へキスをした



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