Throughout the ages | ナノ


▼ 040

古代エジプト王家の結婚式ーーーーー


「さあ アメン神殿に着いたぞ、神官たちが出迎えているぞマリア!」


アメン神殿へ着くと待っていた民の歓声か聞こえる


「メンフィスさまーっ」

「イシスの娘ご婚儀おめでとうございます!」

「イシスの娘ー!」

「あの入り口より中は・・・高官だけが入れるが一般の者は入ることが許されぬ」

『では婚儀の場合は2人だけなのね・・・メンフィス・・・緊張でふるえがとまらないわ』

「心配はいらぬ。このエジプトの王がついている。行くぞ マリア」


メンフィスに手を引かれながら神殿の入り口へ行くとそこにはカプター大神官がいた


「お待ち申し上げておりました。メンフィス王、イシスの娘よ」

「カプター大神官」


最高神官・・・今日の婚儀はこの人の手で行われるのね・・・
結婚式が始まる・・・


「では、神殿の奥へお進みくだされ」



ーーーーー新王国時代
歴代の王が必ず増築に増築を重ねたという巨大なアメン神殿・・・・



「婚儀の前の儀式・・・ 清めの洗礼をうけられますよう。イシスの娘は左へ・・・王は右の間へ・・・」

「ではマリア挙式の間で会おう」

『えぇ』

「さあ、どうぞこちらへ イシスの娘」


メンフィスと別れて左の間へ行くとそこにあったのは聖池
ヘリオポリスの古い典礼書の定義する世界の四部分に神々の仮面をつけた巫女たちが立っている


「どうぞイシスの娘・・・」

「この霊水で清めの洗礼を」


・・・・・時を越え・・・・空間を越えて・・・
古代エジプトの王 メンフィスに永久の愛を誓うためこの霊水に身を浸して・・・
私はあの生きていたヒッタイトに惜別する・・・・・

陛下に・・・



「ではイシスの娘。儀式の花嫁衣装をおつけください」


そこにあったのは黄金の服
ヒッタイトとは全く違う婚礼衣装

生きてきたヒッタイトに惜別した私はずっしりと重い黄金の服を身につけた


婚儀の間へ案内されるとそこにはもうメンフィスが待っていた


『メンフィス』

「おお・・・ マリアなんと・・・もうはなさぬぞマリア!アメン神の前で誓わせるぞ!」

『えぇ メンフィス、もう逃げたりしない・・・あなたを愛してしまったんだもの』

「そなたは 未来永劫わたしのものだマリア!」

『メンフィス愛してるわ。私はこのエジプトであなたと共に生きるのわ』

「マリア」

『私はあなたに命をかける』


「生ける神なるエジプトのファラオよ エジプトの女神イシスの娘よ」


私は今ヒッタイトに決別して古代エジプト王メンフィスの花嫁になろうとしている
陛下・・・サラ・・・ユーリさん・・・・・愛する子供たち・・・ ごめんなさい
そして私の祖国ヒッタイト
さようなら

遥か未来ではすでに失われた歴史の中
はるかな古代エジプトの新王国時代のなか・・・時を越えて・・・
今 私はメンフィスの妻になろうとしている


「神の化身なる・・・ うるわしき二つの地の主 偉大なる・・・エジプトのファラオ・・・エジプトの・・・女神イシスの産みし聖なる娘 マリアよ。生ける神なるエジプトのファラオ メンフィス王の愛を受けられるか」

『はい・・・』


マリア!


あぁ・・・ 私は今メンフィスに永久の愛を誓った・・・
胸がドキドキして顔があつい・・・
私は今生きていたヒッタイトと決別し・・・ 歴史のなかに あなたと生きることを誓うわメンフィス・・・



マリア、わたしも誓うぞ




「予。エジプト王メンフィスはアメン神の前にてエジプト全土に宣言する。
女神イシスより遣わされた 聖なる娘ーー我が最愛なるマリアを・・・今 ここに・・・わが正妃とする・・・・・・!」


私は今 メンフィスの妻になった
このメンフィスの花嫁に・・・・


「では メンフィス王これを・・・」

「うむ」

「王より妃となられたイシスの姫に・・・ スマ・タウイ(南北エジプトの結合)の儀式 ロータスとパピルスを・・・」

「南エジプトのロータスを・・・北エジプトのパピルスを・・・わが妃に!」


時をそして国を越えて 今私たちは結ばれた・・・


「マリア!マリア!この日をどれほど待ち望んだか。今日よりのちはそなたの髪の毛一筋たりとも誰にもわたさん。そなたの全てはわたしのものだ!」

『メンフィス!まだ儀式の最中でしょ?』


私を嬉しそうに抱きしめるメンフィスに私も嬉しくなった




そんな2人を微笑ましくもあまり見ないようにしていた神官たちはカプター大神官が不敵な笑みを浮かべながらマリアを見ていたことに誰も気が付かない・・・


今・・・・イシスの娘はその身に、王位継承権を得た・・・・・!おお、黄金の娘よ!御身は・・・はかりしれぬ貴重なるものとなったぞ!この重大さを何人が気付くだろう・・・むうこの娘・・・・・この手に欲しい・・・と内心で思っていたカプター大神官は高らかに告げた



「九神群中の至高神 生命を創りたまいしアメン神の御前にてここに・・・・・婚儀は成立した!わがエジプトに栄あれ!では神々よりの祝福を受けられよ!」


「ホルス神より王権の守護を・・・」

ーーーファラオに祝福を

「マアト神より正義と秩序と真理を・・・」

ーーーファラオに祝福を

「セクメト神は戦の勝利を……」

ーーーファラオに祝福を

ハトホル神は・・・愛の女神・・・
典礼により神々に扮した神官たち・・・


婚礼の間を出るとそこにはたくさんの人がいた


「婚儀は終わった・・・!」

「おめでとうございます メンフィス王!」

「おめでとうございます新しい王妃 イシスの娘!」

「祝福を・・・エジプトの王妃!」

「新しい王妃に祝福を・・・・・」




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