Throughout the ages | ナノ


▼ 032



「メンフィス様オリベスクの建立の準備ができました!合図のご命令を!!」

「よし」


メンフィスはマリアの腕を引いて外に出た


「見ろ。そなたとの婚儀をおこなうアメン神殿が間も無く完成する」



わー わー



「気をつけろーっ」

「もう少し右へ右へよれ」

「あ、メンフィス様」

「気をつけろ!油断すると押しつぶされるぞーっ」

「メンフィス様ご命令を!!」

「うむ。注意しろ!少しでも狂いがあると礎石の上に座らぬぞ!準備は良いか!!」


おー おー


「よし!オリベスクを建立せよ!!第1隊綱を切れ」


わー


「第2隊綱を切れ!!」


わー わー


「第3隊綱を切れ!!」


わー


「危ないぞ!」

「危ないぞ!さがれ、さがれーっ」

「どけどけーっ」

「どけーっ!すべるぞ!!」


ズズズズ・・・・・・・


わー わー わー


ズズズズズズズズ・・ズウ・・・


「綱をゆるめろ!」

「うまく礎石に座らせろーっ」

「おーっ」


わー


「成功だーっ」


わあー わー



「成功だーっ」

「成功したぞーっ」



「メンフィス様、成功です」

「よし、後の工事を続けろ!!」

「メンフィス様ご結婚の祝賀のため近隣の国々から使者が到着する頃でございます」

「ふん、その名目でエジプト国内を探りにくるのだ。暗殺者も潜入してくるぞ。警備を怠るな」

「手配しましたが王もご油断あってはなりませぬ」

「暗殺を恐れて王は務まらぬわ」


メンフィスは笑いながら答えた


『メンフィス・・・』

「マリアそなたのことは私が守る安心せい」

『ありがとう・・・』


まさかメンフィスの死の原因は暗殺?

暗殺・・・ないことではないわ・・・
あの若き王ツタンカーメン王も暗殺されたのだから・・・






「メンフィス・・・」


そこにアイシスが輿にのってやってくる


「姉上!?・・・姉上なぜここへ」


輿を降りたアイシスは驚きの言葉を発した


「メンフィス、わたくし・・・いまから下エジプトへ帰ります」

「!!!!!」


私の婚儀がせまっているというのにか!!


「どうかおとどまりくだされアイシス様…外国の使者が祝賀につめかけます。せめて婚儀がすんでからに…」


メンフィスにはアイシスがなぜ帰るなどと言い出したかわかってしまった



あくまでも私の婚儀を妨害するためか!


アイシスはメンフィスに抱きついた


「あなたが止めればここに残ります!!マリアと結婚すれば後悔させますよメンフィス!!」



姉上はまだ私との結婚を望んでいるのか!?



お願い思いとどまって!!とアイシスがメンフィスにキスをするがメンフィスはすぐに離した



「下エジプトへ出発したければすれがよい。とめはせぬ!!私の心はかわらぬッ!!エジプトのために、民のために・・・いやちがう!わたしが心の奥底から望んでいるんだ!!魂の底からマリアを妃に望んでいるんだ姉上!!」


いいえメンフィス。きっとあなたはわたしを呼ぶわメンフィス


アイシスは静かに去っていった・・・・・






「困ったことになったなミヌーエ将軍(聡明なアイシスも恋をすればただの女性に・・・)さて・・・どうすればいいものか」

「外国には絶対にご兄弟の不仲をけどられてはなりません」








歴史は動く・・・



prev / next

[ back to top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -