Throughout the ages | ナノ


▼ 029


『ん・・・・』

「マリア」

『・・・・・メンフィス・・・』

「目が覚めたか!」


メンフィスが私の頬に手を当て顔を見た


「ナイルで目を覚ましてから3日も眠っていたのだ!!・・・・もう、そなたを離さぬぞ」


そうだ私はエジプトへ帰ってきたのだ
この愛しい人のもとに
私を離さないというように強く抱き締めるメンフィスに涙が出てきた


「そなたは私のものだッ」

『メンフィスッ…私も貴方から離れないわッ…』



まことにマリアは私を
あれは夢でも偽りでもなかったのだな
マリア・・・・




『ヒッタイトにいる間あなたのことばかりを考えたわ・・・愛さないと決めていたのに・・・あなたを愛してしまった・・・』


イシスあなたはこうなることをきっと分かっていたのね
そしてあなたはそれを望んでいた・・・
イシス私はあなたの感謝します



「マリア・・・そなたを私の、このエジプトの妃にする。そなたは私のものだッ」

『メンフィス・・・』

「マリア・・・」

『なるわ・・・あなたの妃に・・・・・』



2人はそっと優しく愛溢れるキスをするのであった・・・・・・





しかし水面下では既に色々なことが動き出しているのであった・・・

アイシス然り・・・

ヒッタイト然り・・・

アイシスはメンフィスとマリアの婚姻を邪魔すべく・・・
ヒッタイト・・・イズミルはマリアを手に入れるべく・・・・・








目を覚まし私が自らの意思で彼の妃になると決めてから1週間
今はキャロルと一緒にナイルの河岸にいた
キャロルに決めたことを報告するために


『キャロル…私はメンフィスと……』

「マリア私あなたがメンフィスに惹かれていることわかってたわ。メンフィスは愛しているもの・・・きっとあなた達は幸せになれるわ。うんんならなきゃダメよ。メンフィスは怒りっぽくて残酷な部分があるからちょっと心配だけど・・・」

『ありがとう。キャロルとミタムンのおかげよ』


ミタムンが言っていた
本来ミタムンを今回帰す予定はなかったのを2人が説得したこと
そしてミタムンがヒッタイトへ帰ってきたおかげで私は今このエジプトにいられる
2人がいなければ多分私はまだヒッタイトにいた


「そんな、私は何もできてないわ」

『いいえ。あなたがいてくれたから私はここでも生きてこられた』

「マリア・・・」


本当にキャロルには感謝をしてもしきれないくらい
だから今度は私があなたの力になる番だわ


「マリア絶対に幸せになってね」

『ええ。約束するわ』


キャロルとそう約束しているとメンフィスが大股でこちらに近づいてきた


「マリアここにいたのか!!探したのだぞ!!」


そなたに見せたいものが・・・とメンフィスが言ったその時ウナスが血相を変えかえてやってくた
ウナスが焦ってるなんて珍しわ


「ウナス。血相をかえてどうしたのだ」

「メンフィス王!!メンフィス王の亡き父王の・・・ネフェルアマト陛下の墓が荒らされました!!」

「な、なに!?父の墓が荒らされた!?」

「すぐ王家の墓においでくださいメンフィス王!!」


馬ひけーっと馬に跨ったメンフィスが私を抱きかかえる


「マリアそなたもこい!!ウナスお前はキャロルを連れてこい!!」


反論する暇もなくメンフィスは馬をすごい速さで走らせる


「父の墓を荒らしたのは何者だウナス!!犯人はとらえたか!!」



墓にたどり着いたメンフィスは私の手を引きながら速足で兵に駆け寄った


「被害の程度は!?」

「入り口を破られましたが発見が早くわずかの宝石を盗まれただけで済んだ様子です」

「発見者は?」

「あれなる者でございます」



メンフィスは跪いている男に近づいた



「よくぞ見つけた。名はなんという」

「はい。ルカと申します・・・お役にたってこれほど嬉しいことはございませんメンフィス王」



これがのちに深く関わるようになるルカとの出会いだった



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