▼ 027
「マリアッ」
ミタムンに案内をされ地下へ行くとそこには本当にメンフィスがいた
抱きしめてくれたメンフィスに私も抱きしめ返した
「マリアッ」
『メンフィスッ』
「マリア無事でよかったッ」
『会いたかったわッ』
「メンフィス様、マリアここも今にバレて───」
ここも今にバレてしまうと言うミタムンの声が続く事はなかった・・・・・
「##NAME1##」
『!!・・・いず、み・・・る・・おう、じッ』
「お兄様ッ」
ミタムンもまさか兄であるイズミル王子にこんなにはやく見つかるとは思わなかったのか驚いていた
イズミル王子呼ばれて行ったんじゃ・・・・・
『どうしてここが・・・』
「マリアそなたはエジプトには…メンフィス王には帰さぬ!!ミタムン・・・そなたが裏切るとは思わなかったぞ!!」
「ッ・・・・・・・・・」
イズミル王子は剣を取り出した
「メンフィス王・・・・・そなたが死ねばマリアは私のものとなる」
イズミル王子のその言葉にメンフィスも剣を取り出した
「イズミル王子貴様にマリアは渡さぬ!!」
そのメンフィスの言葉を皮切りに2人の男の戦いが始まってしまった
キンキンッ
「はぁはぁ」
「はぁはぁ」
イズミルとメンフィスの息の音だけが地下に響き渡る
手を強く握りしめる私のの肩を抱きしめるミタムンが今はいてくれてよかったと心から思った
「イズミル王子・・・そなただけは許さぬッ・・・・はぁッ!!」
「メンフィス王・・・そなたを殺し私はマリアを手に入れるッ・・・・はぁッ!!」
カンキンッカンキンッ
メンフィスとイズミルの剣と剣が交わり音が地下に響き渡る
「はぁッ」
カンキンッ
イズミル王子にメンフィスの刀が弾き飛ばされる
それを見た瞬間私はミタムンから離れて必死に走った
「これでおしまいだッ」
そのイズミル王子の言葉と同時に私はメンフィスを庇うように前にたった
あの時と同じように愛する人を守るために───
『ッ…………』
あまりの痛さにメンフィスに寄りかかった私にメンフィスが何かを言っていることだけは何とかわかった
「マリア!マリアッ・・・しっかりするのだッマリアッ!!」
ミタムンもその場に座り込み
カランッとイズミルの手から剣が落ちた
「マリアッ」
私の名前をメンフィスが呼んでいる気がする・・・
ああ、メンフィスを安心させなきゃ───
「マリアッ・・・」
『メンフィス・・・・・私は死んだりしないわ・・・だって貴方を、愛しているの・・・貴方をあいして、しまっ・・・たの…私はッ貴方と───生きていきたいのッ・・・だからッ』
「マリアッ・・・絶対に死なせはしないッ・・・イズミル王子ッ───私は決してそなたを許しはしないッ」
そう言ってマリアを抱えながらメンフィスは地下を去った
「お兄様っ」
「私は・・・・・・・・・私はッ」
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