Throughout the ages | ナノ


▼ 025




『メンフィス・・・』


戦争はしてはいけないわ・・・

お願い・・・キャロル・・・ミタムン・・・メンフィスを止めて・・・

戦争をすればエジプトの人もヒッタイトの人も…多くの犠牲が出てしまうわ









「メンフィス様・・・戦の前に私が無事であることを知らせます」

「いいだろう」


ミタムンは自分の無事を知らせるため船首にたった


「ミタムン・・・」

「心配ないわ」


心配そうにこちらを見ているキャロルに心配しないよう微笑みながら言った
ミタムンは息を吸った・・・


「・・・ヒッタイトの者たちは聞きなさい!!」


ミタムンの声が響き渡る


「あれは・・・ミタムン王女様?」

「ミタムン王女だ!!」

「王女は本当に生きておられた!!」


兵士たちの歓喜の声が響き渡った










バタバタバタッ国王そして将軍達と離していたイズミルの元に兵士が駆け込んできた


「イズミル王子大変です!!ミタムン王女が・・・ミタムン王女が本当に生きておられました!!」

「間違い無いのか!!」

「エジプトの船首にミタムン王女がおられるのです!!」


その言葉を聞いたイズミルは走り出した


本当に生きていたのだなッ
我が妹・・・ミタムンッ




「王子!!あそこです!!」

「!!」


ミタムンの姿を捉えたイズミルが目を見開た






そしてエジプトの船に乗っていたミタムンもキャロルが指差した方を見て大きな目をこれでもかというくらい見開いた


「ミタムン、あそこ!!」

「・・・・・お兄様ッ」

「ミタムンッ」


ミタムンとイズミルの声が響き渡る


「お兄様ッ・・・私は無事ですッ・・・だからどうかマリアをッ・・・イシスの娘を開放してくださいッ」

「ッ・・・・・ミタムンそれは出来ぬッ」

「お兄様!!」

「マリアは我が妻にするのだ!!エジプトには帰さぬ!!」


イズミルの言葉を聞いたメンフィスが持っていた刀を強く握りしめる


「お兄様!!マリアはエジプトの人間です!!どうかマリアをッ」

「ならぬ!!」

「イズミル王子!!ではミタムン王女がどのようになっても文句はないな!!」

「メンフィスッ」


流石のイズミルも妹を人質とされてしまうと拒否はできなかった


ミタムンを人質とされては・・・
これ以上母上を悲しませるわけにもいかぬ・・・




「・・・・わかった。では先にミタムンをこちらに渡してもらおう」

「まずはマリアの安否を確認させろ!!」

「いいだろう。イシスの娘を連れてまいれ」

「はっ」


イズミルは1人の兵に命令をした











「イシスの娘」

『!!』

「ついて来い」


腕を引かれながらついていくとそこにはイズミル王子がいた


「イズミル王子連れてまいりました」

「ご苦労だった」


イズミルは兵士にそういうと私を抱き寄せた


「メンフィス王!!この通りイシスの娘は無事だ!!」

『メンフィス!!メンフィスッ!!』

「マリアッ」


私が届くはずのないメンフィスへ手を伸ばすと
メンフィスが船首ギリギリまで出てきてくれた


『メンフィスッ・・・あぁッ・・・メンフィスッ』


でもすぐにイズミル王子に伸ばしていた手を掴まれてしまった


『嫌!!離して!!・・・メンフィスッ!メンフィスッ!!』

「マリア!!」

「メンフィス王!!マリアの安否を確認させたのだ!!ミタムンを帰してもらおう!!」


メンフィスは王として約束を違えることはできないためミタムンへ戻るよう言った


「ッ・・・・・約束だ。ミタムン王女戻るといい」

「ッ・・・・・はい」


ミタムンがヒッタイトの兵士に支えられ陸に上がると待っていた王妃がミタムンを抱きしめた


「ミタムン!!」

「お母様ッ」

「無事でよかったッ」


それを確認したメンフィスはマリアを帰すようイズミルへ行った


「イズミル王子ミタムン王女は返した!!マリアを帰してもらおう!!」

「行け・・・イシスの娘」

『え?』

「行くのだ!!」


イズミル王子があっさりと帰すというなんて・・・とも思ったけど確かにミタムンはヒッタイトへ帰ったしイズミル王子が渋る理由にはならないかと思い私は船に乗り海で待っていたウナスに連れられ海を渡った




「イズミル王子・・・」

「マリアを海に落とせ。落ちたところを網ですくい上げるのだ」

「はっ」


マリア・・・決して逃しはしないッ





『メンフィスッ』

「マリアもう少しだ!!」

『きゃッ』


先に上がったウナスに続きエジプトの船にマリアが上がろうとしたその時
突然船が揺れマリアは海に落ちてしまった


「マリア!!」


メンフィスの叫び声が響き渡る






上に上がらなきゃ・・・・・

ッ・・・背中の傷が痛んでッ・・・・


息がッ・・・・・息が出来ないッ・・・・・・・






メンフィスッ・・・



めん、ふ・・・い・・・す・・・・・・








「マリアーーーーッ!!」

「メンフィス様なりません!!」


メンフィスが海に手を伸ばし助けようとするメンフィスをミヌーエとウナスが止めた





そしてその隙にマリアはヒッタイトに連れ去られてしまった・・・・・





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