▼ 024
「さあ、手当てはすみました。今は動かれてはいけませんぞ」
イズミルが呼んだ医師が手当てをする
「やっと傷口が塞がりかけております。今動けば傷口が裂けますぞ」
『ッ・・・・』
イズミル王子に鞭打たれた傷の治りがこんなにも遅くて痛いだなんて・・・・・
体を動かすだけでズキズキするッ・・・・・
これでは治癒能力も水を操る力も使えないッ・・・・・
背中でなければ治せるのに・・・・なんとしてでもヒッタイトから出なくてはッ
「さがれ…」
イズミルが他の者をさがらせる
『イズミル・・・王子ッ』
「マリア逃げるなどとは考えぬことだ」
『・・・・王子お願いよ・・・・私を帰してッ』
「マリア・・・・・」
『イズミル王子私はッ』
「イズミル王子、王がお呼びです!!急ぎ会議場へ!!エジプトが戦の準備をしていると情報がはいりました!!」
「よし、すぐ行く。マリア大人しくここで待っているのだぞ?」
戦・・・!?
いけない・・・メンフィス戦だけはダメッ・・・
『・・・・待ってミラさん!お願い待って下さい!!私をここから』
ミラさんはすぐに逃げてしまった
『お願いだから・・・・私を逃してッ』
「エジプトが戦の準備をしていると情報が入った」
「イズミル王子・・・!!」
「王子・・・!!」
「望むところでしょう父上。我がヒッタイトの力を見せる時です。今こそエジプトを征服し我がヒッタイトの領土に!!」
「だがエジプトはそうたやすくは征服出来ぬぞ」
「そうですとも王子!!」
「父上ご安心ください。こちらにはナイルの女王であるイシスの娘がおります。大地の神であるケブと天空の女神であるヌートの娘であるイシス・・・その娘のマリアがいるのです。ヒッタイトが負けることはありません」
「おおそうだ!!こちらにはイシスの娘であるマリアがいる!!」
「イシスの娘がいる限りエジプトなどおそるにたらず!!今こそエジプトを責める時です父上!!」
オー!!
オー!!
わー!!
わー!!
「戦の準備をしろ!!」
「エジプトと戦が始まる!!」
「準備は整ったか!!」
「はいッ」
「マリア・・・今助けに行くッ」
「メンフィス!!」
「メンフィス様!!」
出発の準備をしているメンフィスのもとにキャロルとミタムンが駆けてくる
「今は忙しい後にしろ!!」
「メンフィス!!」
「メンフィス様どうか戦はしないで下さい!!」
「そうよメンフィス!!戦をしたらマリアだって怪我をするかもしれないわッ」
マリアが怪我をするかもしれないというキャロルの言葉にメンフィスは一瞬戸惑った
「ッ・・・・しかしマリアを取り戻さねばならぬッ」
そんなメンフィスにミタムンはキャロルより一歩前に出て言った
「メンフィス様私をヒッタイトにお返し下さい」
「ミタムン王女」
「きっと兄は私が帰らぬので何かあったと思ったのでしょう。私が帰ればきっとマリアをエジプトに返すはずです」
メンフィスは今までミタムンがヒッタイトへミタムンはもう帰ってエジプトにはいないと伝えていたことを思い出した
「わかった」
「メンフィス様!!」
「メンフィス!!」
「だが、戦の準備をしその船でミタムン王女そなたをヒッタイトに帰す」
「メンフィス様ッ」
「メンフィスッ・・・それではきっと戦になるわッ」
「ふん、ヒッタイトがマリアを大人しく返せば戦にはならぬ」
「ミタムン・・・」
「・・・・・わかりました・・・仕方がありません。大切なマリアを無事助けるためです」
了承したミタムンにキャロルは驚いた
明らかに戦うための船で行くなんてヒッタイトはエジプトが戦を仕掛けてきたとしか思わないはずだ
「ミタムンッ」
「キャロル仕方がないわ・・・##NAME1##を助けるためなんだから」
「ミタムン・・・・大丈夫よね?きっと大丈夫よね?」
「ええ・・・きっと大丈夫よ」
「ミヌーエ行くぞ!!」
「はっ」
ナイル河口
「ヒッタイトと決戦だ!!」
「決戦だ!!」
「イシスの娘を救え!!」
「我がエジプトの守り神イシスの娘を助けるんだ!!」
マリア今行くぞ!!
「メンフィス無事を祈ります。出発前に神殿の聖なる盃で勝利の祈りを・・・」
アイシスから盃をメンフィスは受け取った
エジプトの母なるナイル・・・
ナイルの水を飲んだもの・・・
再びナイルに帰る・・・
「必ずマリアを連れて帰るぞ!!」
わー わー
わー! わー!!
「ナイルの女王・・・女神イシスの娘を奪い返すんだ・・・」
オー!! オー!!
「全速前進!!ヒッタイトへ!!」
「勝ちて帰られよ・・・」
「勝ちて帰られ!!」
「メンフィス王ーっ」
「勝ちて帰られ!!」
船旗をひるがえしてヒッタイトへ向かう
エジプト船団
迎え撃つべく待ち受ける
ヒッタイト軍団
古代戦争がおこる
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