▼ 019
「王が刺された!!」
「マリア様に治療をしていただかなくては!!」
「きっとお部屋に居られるはずだ!!」
兵はマリアを呼びにいったがこの時マリアは西の宮殿の庭にいたーーーーー
『ふふ、最近は大人しくしてたんだから少しぐらい良いわよね・・・それにしても、夕日が綺麗・・・』
しかし、西の宮殿の庭にいてはならなかった・・・
なぜならアイシスとアリの作戦で邪魔者であるキャロルと商人のイミルをこの場で出会わせようとしていたのだからだ
そして、イミル・・・イズミルもまた東の宮殿で騒ぎを起こし西門から宮殿に忍び込んでいた・・・
「しっ!!きたぞ・・・!!衛兵の死体を隠せ!!」
「はっ!!」
『陛下・・・・・』
ザッ!!
「さぁ、来るんだイシスの娘!!」
『キャア!!』
イズミルは後ろからマリアを捕まえマリアに目隠しをした
「メンフィス王が熱愛しているそなたをこの私が奪ってやるぞ!!こいっ!!」
『誰か!誰か助けて!!』
「上手くいったぞ引けい!!」
様子を少しは荒れたところから見ていたアイシスとアリは驚いた
「商人の男が##NAME1##を連れ去っていくぞ!!商人と会うのはキャロルではなかったのか!?」
「そのはずでございます!!あ・・・あのイミルという男・・・」
だが一番邪魔なのはマリアこれはこれでいいと判断したアイシス達は不適な笑みを浮かべながらマリアを連れ去るイズミル達を見ていた
そしてさらに別の離れたところでは金色の髪の少女が見ていた・・・・・
「今、マリアの声が聞こえた!!」
時を同じくしてメンフィスがマリアの悲鳴に気づいていた
「ははは・・・メンフィス王よ思い知るがよい!!エジプト強国とうたわれたお前のもとからこの娘うまうまとかすめとってやったわ!!」
『離しなさい!! 』
「メンフィス王の熱愛する娘をやつの手から略奪してやったぞ!!この娘・・・ヒッタイトへ連れて行きこのイズミルがもらってやる!!」
『ヒッタイト!?貴方はヒッタイト人なの!?』
まさかミタムン王女の復讐として?!
私が人質になるわけには・・・・!!
「おとなしくしろイシスの娘!!おとなしくせねば巻き起す砂塵で息がつまるぞ!!」
『お願いだから放して!!私は・・・私はエジプトにいなければ・・・!!(ヒッタイトへ行くわけには───)』
「急げ!!追っ手のかからぬうちにリビア砂漠を駆け抜けて地中海へ出なければならぬ!!このあたりで三方に別れ敵の目をくらませるのだ!!散れー!!」
ヒッタイト・・・私の故郷ヒッタイト
私は、私は・・・ヒッタイトへは行きたくない・・・・・・
彼の方のいないヒッタイトへなんてーーーーーーーー
『メンフィスっ』
あ・・・強い腕と砂埃で息が・・・・メンフィス・・・・助けて・・・・・
「急げ!!カールからシーワ、オアシスを通りリビア砂漠を駆け抜けて・・・地中海へ!!」
マリアが砂漠にいるその頃エジプトの宮殿では騒ぎになっていた
「メンフィス王!!メンフィス王!!メンフィス王マリアの姿が見えません!!」
「メンフィス王西の庭に多数の賊が侵入した様子です!!」
「衛兵が殺されマリアの姿がどこにも見えません!!」
「メンフィス王!!」
「では、キャロルはどこにいる!!!」
泣きながらキャロルがかけてきた
「メンフィス大変なの!!マリアが、マリアが・・・」
「何があったのだ!!」
「私が会うはずだった商人に・・・・ッ・・・イミルに・・・!!」
「!!・・・しまった読めたぞ!!奴らの目的はマリアだったのだ!!私を狙うと見せかけて騒ぎを起こしてその隙にマリアを狙ったのだ!!」
「そのようですな王!!」
「だが何故だっ!!マリアが私の妃になる娘と知ってか!!」
「メンフィス!!マリアは私と間違われて連れ去られたのよ!!私・・・今日イミルと会う約束をしていたの・・・・・きっと私と間違われて!!彼リビア砂漠を超えてきたと言っていたわ!!」
「砂漠へ向かったと!?馬ひけーっ!!」
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