Throughout the ages | ナノ


▼ 015



誰にこそ告げん



黄金に輝ける乙女我がエジプトに降り立つ




そは
イシスの産みし娘なり



その姿
この世のものとは思えない麗しさ・・・


その微笑みは全ての者を魅了し
我がエジプトに祝福をもたらす・・・


心優しく美しきイシスの娘が現れた時


エジプトは・・・


















エジプトは神々の祝福を受けるであろう・・・









「さあ、さっさとやれ!!泥と藁を足でよく踏み込め!!できた泥は日干しレンガを作る丘へ運べーっ!!」

「暑くて目がくらむわ・・・マリア大丈夫?」

『ふふ、大丈夫よ』


私もキャロルと同じように現代からきたのであれば多分耐えられなかっただろうけど
私は古代ヒッタイトでの生活を経験している
もちろんエジプトの暑さはそれ以上だけれどでも耐えられないことはない


「砂漠には日陰になる一本の木もないのね・・・」

『キャロル。私より貴方の方が辛そうだわ』

「水はわずかしか飲ませてくれないし・・・休ませてくれないし・・・熱中症になってしまうわ・・・」

『キャロル、あなたの方本当に体調が悪そうだわ…』

「私は大丈夫よ・・・って、マリア貴女凄く顔色が悪いわ!!」

『え?本当に?自分では全然大丈夫に感じるのだけれど』


本当に体調悪くなんてないのに私の前にいた男性が自分の影を歩くように言ってくれた


「嬢ちゃん、本当に顔色が悪い・・・俺の体の影を歩きな」

『でも・・・』

「マリア歩かせてもらったほうがいいわ!!」

『ありがとうございます・・・キャロルは私の陰を歩いてね?』

「初めてだろ?暑さで倒れちまうぜ」

「こんなにも暑いだなんて思わなかったわ」


と3人で話しているとざわざわと騒がしくなってきた


「王だ!!」
「王が来られる!!」
「メンフィス王が!!」




「えっ!?メンフィスがくる!?」


まさかメンフィスがここへ来るだなんてなぜーーーーー?
と思っていると本当にきたのかメンフィスの声が聞こえてきた


「囚人の監督はどこだーっ!!」


メンフィスが来る理由なんてこれしかないとキャロルが言って私の手を掴んだ


「私たちをあざ笑うために来たのね!!マリア向こうに行きましょう!!」

『キャロル?』

「キャロル!?」


ウナスもキョロルの行動に驚いたらしくキャロルの名前を叫んだ


「メンフィスにこんなところを見られたくないわ!!」


声は聞こえるけれど姿は見えないメンフィスから逃げようと走っているとメンフィスの声がきまた聞こえてきた
今度は私を呼ぶ声がーーーーー


「マリア!!マリアどこだーっ!!」

「メンフィス王!!」


私たちの近くにいる誰かがこちらですと言わんばかりの大きな声でメンフィスを呼んだ
ーーーーーその声は聞いたコオある声だったような気がした



「あ!!あれだ見つけたぞ!!マリア!!」


そんな大きな声にメンフィスが気が付かないはずもなく私たちは見つかってしまった



『め、メンフィス!?』

「どけどけーっ!!どけーっ!!」


私たちは気がつかないうちにメンフィスにレンガの方へ追い込まれてしまっていた


「待ていマリア!!」

『あ・・・』

「マリア、レンガの裏側に逃げて」

『でも』

「私は大丈夫だから早く!!」

「マリア」

『わ、私まだ弱音を吐いてないわ!!』


と私はレンガの裏側へ逃げた


「マリア」

『許しを乞うなんてことはしないわ!!』


そう言った瞬間メンフィスがレンガを飛び越えてきた
あの大きなレンガを


『え、』

「マリア!!」


私を離さないとばかりに抱きしめるメンフィスの先ほどの行動に私は頭がまだ追いついていなかった


「お前を妃にするぞ。迎えに来たんだ宮殿へ来い」

『メンフィスあなたレンガ・・・』

「お前を妻にする!」


いや妻になるのも無理なのよ
だけど今あなた何メートル飛んだの?


「言い訳はもう聞かぬ!!」

『いいわけではなくて・・・「うるさい!!」


流石の私もメンフィスのおうるさいという言葉を聞いて正気にもでった


『私は貴方の民ではないのよ!』

「かまわぬ」

『時代が違うわ!!』

「かまわぬ」

『私には夫がッ』

「かまわぬ」

『私は貴方を愛していない!!』

「かまわぬ!!」

『メンフ・・・』

「私はお前を・・・愛している・・・」


メンフィスは私にそっと口付けをした


「もはやどんな反対もきかぬ!!逆らってもだめだ!!私はお前を妃にする・・・」

『メンフィス・・・!!』

「新しい年の祝賀の日に神の前でそなたを我がエジプトの妃に迎えよう!!よいか私の意に従え。マリア・・・私を怒らせるな・・・」



あぁ・・・メンフィスは恐ろしいほど真剣なんだわ・・・
私はもう逃げられないのね・・・なんだか頭がぼうっとして・・・・

マリアは意識を失った



「マリア?」

「マリアやっぱり体調が悪かったんだわ!!」

「ミヌーエ!!ウナス!!宮殿へ急ぎ戻るぞ!!」


メンフィスの言葉にキャロルは驚いた


「え!?う、ウナスも!?」

「ウナスはマリアにつけていた兵士だ」

「じゃあ、ずっと私たちは監視されていたの!?」


信頼していたのに!!とウナスを見るとウナスは申し訳なさそうにしていた


「そなたと共にいるときは必ずなにかおこるからな」

「!!! (い、言い返せない…でも、頭にくるわ!!)」







宮殿に着いたメンフィスはマリアを抱え急ぎ足で宮殿の中に入っていった


「メンフィス王!!何かあったのですか!?」

「##NAME1##が熱砂の砂漠にいたせいで倒れたのだ!!ナフテラ!!ナフテラ女官長はいるか!!」


メンフィスに呼ばれてきたメンフィスに抱えられたマリアの姿にナフテラは驚いた


「どうかなさ・・・!!」

「ナフテラ、マリアが倒れた床の準備を急ぎ頼む!!」

「床の準備はマリアがいつ戻っても大丈夫なようにしてありますので準備はできています!!」


急いでマリアの部屋へ向かいながらメンフィスはミヌーエに医師を呼んでくるよういった


「ミヌーエ!!医者を急ぎ連れてまいれ!!」

「はっ!!」







医師に診られているマリアをメンフィスは不安そに見ていた



「・・・・・・・」

「どうだ・・・」

「・・・・・大丈夫でございます・・・」

「そうか・・・」

「マリア良かった・・・」


その場にいたメンフィス、キャロル、ミヌーエ、ナフテラ、イムホテップはホッとしたが医師の次に言葉で凍りついた


「しかし、これ程までに衰弱しておりますといつ目を覚まされるかまではわかりませぬ・・・」

「なに!?」

「ここ最近の暑さは稀にみる暑さでしたので慣れぬことをしてどんどん衰弱していったのでしょう・・・しかし、命に問題はございませんので安静にしていれば時期目を覚まされるでしょう」

「では、私のせいというわけか・・・・・」


そんなメンフィスにキャロルは叫んだ


「違うわ!!マリアは貴方のせいだと思ってないわ!!だって、私が貴方のことを悪く言ってもマリアは悪く言わなかったもの!!」

「マリア・・・」


マリアの手を握るメンフィスはキャロルがいった言葉でずっとマリアを見ていた顔をキャロルへ向けた


「きっと・・・・・マリアは貴方に惹かれていってるのよ・・・」


そして悩んでる・・・とは嬉しそうにするメンフィスにキャロルは言えなかった


「そ、それは誠か!?」

「だって、マリアの貴方を見る目が最初と違うもの・・・」

「##NAME1##・・・・・」











マリアが眠り続けてすでに1週間が経っていた



「マリアまだ目を覚まさぬのか・・・」

「そのようです・・・」


マリア・・・そなたはいつになったら目を覚ますのだ・・・
1週間がとても長く感じる・・・
私はもうマリアがいない人生など生きてはいけない・・・
マリアはやく、はやく目を覚ますのだ・・・





その時
熱砂の砂漠を駆け抜けて・・・キャラバンが近づいていた


「イズミル王子、エジプトの首都テーベです」

「やっと着いたか・・・メンフィス王、妹のミタムン王女の身に何かあればそのままにはせぬぞ!!」


そして・・・


「おお!!あれが百門の都と言われ繁栄を誇るテーベか!!さて、怪しまれぬよう商人の街へ潜入しろ!!」







これから先波乱が起きるとも知らずマリアは眠り続ける…


果たしてエジプトは・・・
メンフィスは・・・マリアは・・・

何度も、何度も迎えることになる波乱を生き抜けることができるのか・・・



未来を知るものは誰もいない・・・




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