▼ 008
それからしばらく私はメンフィスを避けて生活をしていた
───そんなある日
「お許しくださいメンフィス様!!」
「えーい!!私の命令を聞かぬ罰だ腕を切れ!!」
女官を怒鳴りつけているメンフィスを見て私は今がチャンスかもしれないと思った
『今ならセチさんを助けられるかもしれないわ・・・地下牢につかまっているセチさんを助けなければ・・・!』
振り向くとそこには兵士がいた
「マリア様あなた様は王のお側に」
『っ・・・・・』
なんでこうも兵士が多いのよ!
「マリア・・・」
『め、メンフィス・・・』
「マリア、そなたと合わなかった数日私は生きている心地がしなかった・・・」
『メンフィス、離して…』
「離さぬ!!そなた地下牢にいるあの奴隷のもとへ行くつもりだったな!!宮殿から出ることは許さぬ!!これからそなたは私の部屋で過ごせ!!良いな!!」
『メンフィス・・・!!』
「マリア、そなたと離れたくないのだ・・・」
『・・・・・・・・・』
「マリア」
『わ、わかったわ・・・』
「おお!!マリア・・・!!部屋へ行くぞマリア。キャロル水を持ってまいれ!!」
「どうして私が!!」
「口答えをするのか!?」
「そんなんじゃないわ!!」
部屋に向かいながら言い合いをする2人に私なんかより全然お似合いなのでわ?と少し思ってすぐに訂正をした
だってやっと部屋についたと思ったらメンフィスがキャロルさんへ手をあげようとしてるのが見えたから
「うるさい!!黙らぬか!!」
『メンフィス乱暴はやめて!!』
「マリアそなたが水を飲ませろ」
水を飲ませるのくらいなんてことない
コップを口に持ってくだけなんだから
水を飲ませたのにメンフィスの視線は私からはなれないことに少し嫌な予感がした
「マリアここに座れ!!」
『きゃ・・・私ちゃんと水を飲ませたじゃない!!』
「座れというのだ!!」
私の腕をひき座らせようとするメンフィスに私ではなくキャロルさんが声をあげた
「メンフィス!!マリアに乱暴をしないで!!」
「うるさい!!そなたは出て行け!!」
『メンフィスわかったから!座るから大声を出さないでちょうだい!』
「こやつが悪いのだ私は悪くない」
とふんとしたメンフィスにキャロルさんが私が悪いわけないでしょ!と怒っているのを見てはあとため息をついているとメンフィスの姉であり最近私とキャロルさんをあまりよく思ってなさげなアイシスさんがいた
「メンフィス話があります」
「姉上か・・・・・マリア、キャロルと共に庭に出ていろ」
珍しく私に出ていくように言ったメンフィスの言葉にホッとしながら私はキャロルさんと部屋を出た
「姉上話とは?」
「ナフテラがこの書状を持ってきましたが…これはどういうことです!!私との婚約を破棄すると・・・!!」
「そのとおりです姉上・・・私は姉上とは結婚しない決心をした。姉上には悪いが・・・」
「まあ、メンフィス私達の結婚は王家の純血を守るためですよ」
「私は姉上を愛していない」
アイシスがメンフィスに接吻をするがメンフィスは顔を背けた
「やめて下さいマリア#が見ている」
「で、ではマリアのためにこの私を・・・!!マリアは奴隷です!欲しいならば愛人にすればいいのです!!」
「いやマリアを愛してしまったんだ姉上!!マリアしかいらぬ!!#名前!!マリア」
それはアイシスが恐れていたことだった
おお、恐れいたことが起こってしまった
メンフィスがマリアを愛してしまった!
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