10/31 23:59  
* 猿杙 *

日本人というのは常々特な人種だと思う。仏教らしい盆と正月の他に、クリスマスやハロウィンなんて西洋のお祭りだって楽しめるんだもん。楽しいことを楽しめるのは本当にいいと思う。

「あれ?柏手さん?」

仮装してハロウィンパーティーを楽しんだ帰り。暗いし人もいないからいいやと思ってそのままの格好で帰ってたんだけど、まさか同級生に会うとは思わなかった。

「え、猿杙くん」
「ハロウィンの帰り?」
「うん」

学校では目立たないように比較的大人しくしてたのに、こんなことしてるなんてバレたらやだ。いや、バレてもいいんだけど、調子乗ってるなとか言われたくないからできれば隠しておきたい。

「俺は部活終わったところなんだぁ」
「そっか、お疲れさま」

猿杙くんは悪い人じゃないから言い触らしたりとかしないと思うけど、それでも出きれば会いたくなかったなぁ。なんて思っちゃう。
そんなこと考えてたら、シャッター音がした。

「え、何してるの?」
「まぁまぁ、気にしないで」

いや!気にするから!

「ちょっと、やめて」

聞こえてないわけがないのにシャッター音は続く。って言うかもう連写じゃない?

「盗撮!」
「撮ってるよ」
「事後報告!?」

なにそれ!事後報告な盗撮なんて初めて聞いたよ!

「あの、まぁいいけど、ネットに乗せたり誰かに送ったりとかはしないでね」
「うん。俺だけで楽しむから安心して」

…どういう意味かな。

「それよりさ、黒猫?」
「え?あー、うん」

フレアをたっぷりとった黒いミニ丈ワンピースに黒いデザインタイツ。黒いベロアで作ったケープの裾は、同じ黒のファーで縁取ってる。そのファーの余りで耳としっぽも作った。
今回のはちょっと自信作。

「いいね。ハロウィンっぽい」
「ありがと」

会場ではみんな気合いの入った仮装してるから、こうしてなんでもない人から褒められるとやっぱり嬉しい。

「そのスカートなんでそんな広がってるの?」
「パニエ入ってるの」
「?」
「えーっと、スカートを膨らませるヒラヒラしたスカートが入ってるの」
「へー。そんなのあるんだ」
「うん」

当たり前に使ってる単語を知らない人に教えるのって難しい。この説明であってるのかもわかんない。あとね、なんでもないように普通に話してるけどさ、やっぱり気になるんだよね。
猿杙くん写真撮りすぎ!さっきからずっと撮ってるからね!

「ねぇ、そんなに写真撮っておもしろい?」
「おもしろくはないけど、柏手さんのかわいい格好撮れて楽しいよ」
「え」

えーっと、猿杙くんってそんな感じの人だったっけ?

「柏手さんって学校以外ではそんな感じなの?」
「そんなことないよ」
「じゃあ誰かその格好見たりしないの?」
「うん、知り合いはないかな」
「じゃあ俺が初めて?」
「そうだけど…」

なんか、その言い方ちょっとやだ。別に見せたくて見せた訳じゃないもん。偶然会っただけだもん。

「そっかぁ」
「なんで笑ったの」
「笑ってないよ」
「嘘」
「俺笑ってないのに笑うなって言われるし」
「絶対笑った」

ほら!もう今絶対笑った!

「かわいい柏手さんを初めて見たって思ったからかなぁ」
「…は?」
「あ、」
「ちょっと!撮らないでよ!」
「えー?」

やだやだ!今絶対顔赤いもん!かわいいなんて言われなれてないから!

「恥ずかしいからやめて!」
「恥ずかしがってるのもかわいいよ?」
「もー!やだ!」

面白がってるだけの癖に!

「写真全部消して!」
「消すの大変だと思うよ?」
「なんでそんなに撮ったのよ!」
「柏手さんが可愛いから」

もうやだ!今日この数分で猿杙くんの印象変わった!

「帰る!」
「送っていこうか?」
「すぐそこだから大丈夫!」
「あ、じゃあ1つだけ」
「…なに?」
「今日会ったのは、誰にも秘密ね」

何を言われるのかと思ったけど、なんだそんなこと。

「私からもそうしてほしいかな」

願ったり叶ったりの申し出に私は迷わず二つ返事。
それを聞き届けると猿杙くんはどこか満足そうに笑って背を向けた。




10/22 22:48  
* 黒尾 *

時間を追う毎に雨がひどくなっていく。それでも朝までに抜けるんだろうな。朝練がなくなるだけで授業が普通にあることが容易に想像できて、正直萎える。
いっそ休みになれ。なんて思ってたら、携帯が鳴った。

「こんな時間になんだよ」
『え?台風だから』

昔から台風やら雷でテンションをバカアゲするやつだった。

「お前子供じゃないんだからいい加減台風でテンションあげるなよ」
『もったいないよ!今年最後かもしれないんだから!』
「もったいないもなにも…」

電話の向こうで、車の音が聞こえた気がした。

「なぁ、お前今どこにいる?」
『え?えっとね、3丁目の公園に向かって「バカか!」ひぇっ』
「危ないだろ!なに考えてんだよ!」

なんにも考えてないだろうことはわかってる。それでも怒鳴らずにいられるか。

『いや、台風を満喫するために』
「暴風警報出てんだろ!3丁目の公園だな?」
『うん』
「いいか?ついたらそこから動くなよ?」
『?わかった』

なにやってんだよマジで。昔から思ってたけどバカかよ。

「ちょっと鳴子回収してくる」
「あら、なるちゃんまたなの?」
「3丁目の公園だとよ」
「気を付けなさいよ」
「おー」

いい加減にしてくれよな。毎回嵐のなか迎えに行く身になってほしいぜ。



(鳴子は傘をさしてるのか、カッパなのか、なにもないのか)





10/21 09:38  
* 赤葦 *

私の朝は一杯のホットココアで始まる。
あったかいマグを両手で抱えながら、2階の窓から朝練のためにせかせか歩くのを見るまでがルーチンワーク。
うちからだいたい一時間半かかる学校名の書かれた白いのジャージ。近所で見たことはないから、中学は別なんだろう。

「さて、私も準備しなきゃ」

早くも冷え込んでいる朝。準備をする元気を貰って、ようやく私は準備を始めるのだ。




10/16 22:45  
* 弧爪 *

「けーんまー!」
「なに?」
「お誕生日おめでとう!」
「…ありがと」
「これはい!」
「…なにこれ」
「ゲーセンで取ったの!三毛猫が研磨で、黒猫がクロね」
「クロそのままじゃん…ねぇ、鳴子は?」
「えー?私そんなに猫っぽくないしないよ?」
「じゃあ取りに行くよ」
「え?」
「クロと二人とかやだ。だから鳴子も迎えに行く」
「今から?」
「今から」


(そんな幼なじみ)
(夕方に上げたかったー)




10/16 00:28  
* 菅原 *

「女の子は笑顔が最高だよね」
「もっといいのあるべ?」
「なにそれ、」
「泣き顔めっちゃかわいいくね?」
「…いや…趣味悪」
「なんだよー。好きな子の涙とか最高だべ?」
「いや笑顔が最強だよ!」
「泣き顔!」
「笑わせたい!」
「泣かせたい!」


「…なぁ、お前ら教室でなんて話してるんだよ」



(うまるちゃんの素晴らしいところは女の子たちが笑うととにかくかわいいところだと思う)



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