震える唇でそう言えば、三月さんは付けていたコンドームを外して遠くへ放った。硬くて熱い三月さんのちんこを支えながら、穴の方に押し当てる。
俺が腰を下ろすと同時に三月さんが腰を突き上げて、再奥まで一気にみちみちに埋め尽くされる。

「あーーーーッ、あっ、ぁん…ッ!」
「もう、戻れない」
「あっ、あぁッ…もっと、んっんんんんんッ!!」

三月さんの熱い吐息が首筋を擽って、大きな手が背中をなぞる。また俺が押し倒されて、更に奥へと突き進んでいく三月さんのちんこに蕩けそうになる。

「あっ、あ、ぁあッ!!」

三月さんの腰が押し付けられて、離れるたびに何かわからない水滴が飛んで、暑苦しい部屋で汗が止まらない。
全身気持ち悪いのに、気持ち良さがそれを凌駕して覆い尽くしてくる。

発情期のオメガは止められない。終わるまで発情期して飢えて、いくら注がれても満たされないまま。
何度突き上げられても、次が欲しくなる。

それに比べるとアルファは、オメガを襲う気持ちはあれど理性がある程度残ってる。疲れもあるし限界もある。

2度目の、ナカにどぷ、と溢れる精液に俺は涙が出るほど嬉しくなった。発情期中にアルファとセックスしたことはない。
同時に悲しくもなる。オメガは子供を産むための存在なのだと。

「あ、んんっ…も、っと…ッ」
「っ、おい」

三月さんの制止の声を聞いても、俺は強請るように動く腰が止まらない。
足りない、もっと欲しい。

「ごめ、っん…な、さい…ひ、う」

はしたないことをしてるのだと自覚している。尻軽みたいに欲しがって自分で動いて。こんなことしたくないのに。

三月さんが舌打ちして、それに怯えて、でも結局もっとと強請ることしか出来ない。腰を掴まれて激しく打ち付けられた時、目の前が真っ白になって脳みそが揺れるほどの衝撃で。

「あっ、あ、ああぁああッッ!」

もしかして、孕んだかもしれない。でも、そしたら三月さんは俺にお金をくれるだろうか。
気持ちよさに意識が遠のいていく最中にそんなことを思ってしまった。

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