俺なんかのフェロモンでも、発情期は凄いらしい。いつもより激しい打ち付けに目の前がブレながらも、俺は気持ち良さに身を仰け反らせる。

「ん、っあっあっはァ…ッ」

αの三月さんが何度も歯を俺の首筋に押し当てて、熱い息を吐く。
うなじを噛んだら番になる。それはαとΩだけがなる関係だ。
それを必死に抑えているみたいだった。

俺なんかと番になっても良いことないもんなあ。
無性に虚しい。

発情期になって発する分泌液が三月さんの腰とぶつかる度に糸を引いて、ぴちゃぴちゃと卑猥な音が鳴る。

「あ、んっ…ふ、あ、ぁあっ…も、っと、ぁんッ!!」

どれだけ突き上げられても物足りなさだけが頭の中に残る。

いつもと違ってコンドームをつけてる三月さんのちんこ。直接擦られる感触がない、ただ何ミリかの無機物なゴムのせいでもっとという気持ちばかり。

でもこれを外したら最後、かなりの確率で妊娠してしまう。

「みつき、さん…っ」

でも、欲しくてたまらない。ナカに出して欲しい。孕みたい。
快楽に震える手で三月さんの身体を押すと、三月さんがベッドに倒れて、俺がその上に跨ることになる。更に奥に入って来て、前立腺を押し上げられる。

「ぁ、あーーッ…ふ、ぁんっ、あ、ァ」

三月さんは俺の痴態を下からじっと眺めてる。動いてくれない、なんで、もっと激しくして欲しいのに。
でも、その前に。

震える膝で、なんとか三月さんのを抜くとそのちんこを掴んでぴったり張り付いた薄いゴムを剥がそうと躍起になる。

「あ、う…みつき、さんっ…これ、いらな、ぃ…っ」

かたかたと震える指じゃ何も力が入らない。何度もゴムとちんこの間に指を入れようにも、滑ってもどかしくなる。
こんなの、いらないのに。

「ナカ、ほしい、から…っお願い、……んんっ」
「いいのか」
「いい、のっ…いい、から、早くっ…!」
「元には戻れないぞ」
「は、やく…ッ」

三月さんの、欲しい。

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