「す、みません…なんか」
全身が怠く火照ってる。気を抜いたら快感を貪りたくなる衝動を堪えて、三月さんに謝ると三月さんはわざわざ俺に上着をかけた。脱がされて汚れた下着もズボンも放置したまま、すっぽり覆われるほどの上着に包まれる。
どうしてこんなとこにいるんだろう。そんな疑問が浮かぶ。
俺が三月さんの知っていることをあげるとすれば、お金持ちでお財布にはいつも大金、α、イケメンくらいだ。あと優しい。
こんなαに優しくされたらカーストの下にいるΩの誰でも勘違いしそうなものだ。
そんな思いで見上げる。
「抑制剤はなかったのか」
「いつもより、来るのが早くて」
息絶え絶えな俺にはぼそり、と三月さんが何か言ったのは聞こえなかった。
ぼんやりとする意識のまま、何を思ったか三月さんに抱え上げられた。
そうして、裏路地を知り尽くしたように歩き始めた。
下ろしてもらおうにも、ただただ息を吐くことしか出来ない。こんな不甲斐ないΩを見過ごせない三月さんは本当にいい人だ。お金もくれるし。
「う、ぁ…」
時折上着にむき出しのちんこが擦れて、変な声が上がる。せっかく借りたものを汚してしまう。でも、一度擦れたら何度も擦り付けたくなった。
「は、あ、…みつき、さん」
「何だ」
「へ、ん…っ」
身体が変。いつもそうだけど、目の前の三月さんに、強いαに影響されてか、おかしいくらい熱い。
「みつきさん、…み、つき、さん…ッ」
身体の奥がジンと熱くなる。三月さんのちんこが欲しい。奥を突き上げて、中にたくさん出してもらいたい。中に、たくさん。
「ふーっ、あ、ぁ…っ」
いっぱい出して、孕むくらい欲しい。目の前のαに獣みたいに犯されて、目の前が真っ白になるくらい、快感に埋め尽くされたい。
早く欲しい。たくさん、欲しい。
「三月…っ、さん」
「……」
「助け、て…っ」
助けて。
俺を、いっぱいにして。
三月さんの足がぴた、と止まってそれから急に方向転換した。
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