「そんなフェロモンで無防備なのが悪いと思わねえか」

発情期の状態で身体に触られたら最後、Ωはもうどうしようもない。ふにゃりとなった身体を壁に寄りかからせて、男たちは餌にありついた子豚のように俺の身体に群がっている。

「や、だ…っ」
「本当は嬉しいんだろ。そういう性だしな」
「ほらほら、もう服の上から分かるくらいビンビンだぞ」

服を捲り、薄い腹を舐め回していた男たちは俺のズボンに手を掛けようとしている。抗いたいのに身体には力が入らないし、助けを呼ぶ声も出ない。
Ωは無力だ。いつだって。

「ひ、んん…ッ、さわ、るなっ…ッ」
「触って欲しいってよ。しょうがねえなあ」

男たちのザラザラとした手が身体を這い回る。無遠慮に撫で回す手にいかに三月さんが俺に気を遣ってたか気付いた。

男たちはにやにやとした笑みと荒れた息を吐きながら俺のズボンを下ろす。既に下着は色濃くなって、ぬらりと濡れていた。
違う。俺は頭を振った。

「ほら、欲しがってんじゃねえか…よ!」

下着も勢いよく外され、俺のちんこは引っかかってからぷるんと飛び出した。
違う。全部発情期のせいなのに。

「あ、あぁッ…待、ぅ、あっ!」

ぐちゃ、と容赦無く掴まれたちんこをわざと煽るように音を立てて弄られて俺は目眩がする。
快感が大きくなるごとにフェロモンが増す。このフェロモンで更にβや、αがつられてくる。

逃げなきゃ、いけないのに。力が入らないし、自分より強い雄だと言うのを嫌という程感じていた。

はあ、と男の臭い息が唇に掛かっても舌を差し出してしまうほど俺はおかしくなっていた。
欲しい。

「ちゅーしてやるよ」

気を良くした男が、ちろりと舌を伸ばしてきた。
もっと気持ちよくして。

急に、ガツンと大きな音が目の前で聞こえて。俺に群がる男2人が遠のく。
え、と目を丸くしている間に2人は投げ出され壁に激突していた。見開いた目のままぴくりともしていない。

そして、あの時のように俺の目の前に影が落ちて

「三月さん…」

彼はまるで救世主のように、現れたのだ。

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