「寒い」

「………」

「デイダラ、寒い」

「………」

「寒い」

「……なんだよ」

「女の子が寒いって言ってるの」

「オイラは寒くない」

「これだから暁の男は!」

「はぁ?」

「好きな子ひとり暖めることもできないの?!」

「どうしろってんだよ。この前手が冷たいとか言うから握ってやったのにキレたじゃねえか」

「その手に舐められたの!」

「ああ、まぁこれは仕方ねぇな、うん」

「寒いって言われたら"俺が暖めてやるよ"くらい言ってよ」

「今のモノマネ、誰だ」

「サソリさん紳士バージョン」

「そんなバージョンあってたまるか」

「わからないよ?サソリさんだって好きな人の前では紳士的になったり爽やかに笑ったりするかも」

「旦那は人間に執着はしても恋愛感情を抱いたりしねぇだろ」

「そうなんだ」

「おいクソガキども、全部聴こえてんだよ。お口チャックしろ」

「………」

「なんだよその目は…うん」

「サソリさんいつまで私たちを子ども扱いするんだろう」


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