「今日は授業参観だね。私の親、忙しいから来れないんだって」
「そう落ち込むなって。来年もあるだろ」
年に3回ぐらいある気がする。ちなみに今日の授業参観の授業は国語だ。おじさんのおかげで難しい言葉がわかるようになって得意教科になりつつある。
「そうだよね。授業参観なんてしょっちゅうだよね!オビトはお父さんかお母さん来るの?」
「いや、オレんとこも忙しいから来ない」
「そっか。やっぱりなかなか時間とか取れないよね…」
「代わりにおじさんが来る」
「えっ?!」
ガタッと椅子を鳴らして立ち上がった。そんなに驚くことか?いつも来てるのに。
「知らなかったか?毎回来てるぜ」
「全然知らなかった!来てたんだ」
「と言ってもいつも教室の外から見てるからな。オレもたまに気付かないことがある」
そして授業が終わったと同時に帰る。オレがみんなにおじさんを自慢しようとしても既にいない。それがすごくつまらない。きっと今日もそうなるんだろうな。
「き、緊張してきた」
顔が少し強張っている。
「何でお前が緊張するんだよ」
あ、そっか。ウチのおじさんに憧れてるんだっけか。
(150619)
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