「俺は考えた」
「うん」
「何故この美貌を持ってしてもお前を落とせないのか」
「その思考の時点で落ちるはずがないよ。歪んだ性格直して生まれ変わってくれたらいいけど」
「まぁ、聞けよ。…お前を俺のコレクションにしてやればいいと」
「だからその歪んだ性格が嫌なんだって!」
「これ以上の愛情表現はないぜ?嫌なら床の相手をしろ」
「花街に行ってこい」
「忍がそんなとこ行ったらみっともねぇだろ」
「お言葉ですが、忍であるなら性欲くらい我慢できるのではないですか」
「無理だな」
「と言うより、傀儡だよね?性欲くらいはあっても…いやおかしいけど…え、ついてんの?」
「取り付け式だ」
「なるほど。自前の息子さんは気に食わなかった、と?」
「変な解釈をするな。盛るぞ」
「毒を?」
「大体合ってるな。媚薬だが」
「…多分私はサソリを満足させることができないだろうから無理」
「なんだ、そんなことか。心配はいらねぇ」
「え」
「お前と話しているだけでも欲情しちまうくらいだからな。言いたいこと分かるか?」
「35のオッサンが言ってると思うと鳥肌が立つよ」
「…そんなに言うなら本来の俺のあるべき姿に変化してやろうか」
「35歳のサソリってこと?」
「ああ」
ボン
「多分こんな感じだろ」
「(うわぁ背が高くなってる…!雰囲気もずいぶん違う)……」
「どうした」
「デ、」
「…で?」
「デイダラァァァァアア!!」
「おいおかしいだろ。何で俺がいるってのに他の男の名前を叫ぶんだよ。そこは俺の名前を叫んで俺に飛び込んでこいよ」
「飛び込みたいけど…いや今のは口が滑った!近付いたら妊娠しそうで」
「仕方ねぇな、俺から行ってやる」
「来んな!頼む!来ないで!」
「逃げられると追いたくなるんだ。逃げんじゃねぇよ」
「足速っ!デイダラァァア!お前の相方どうにかしてくれ!」
「だから他の男の名を叫ぶな」
「何その束縛が強い彼氏面!…ゼェ…捕まって、たまるか!…ゴホッ!」
「呼んでっけど行かなくて良いのか?」
「行ったら旦那に殺されるに決まってる、うん」
「ゲハハハ!いいじゃねーか!行ってこいよ!」
「てめぇは旦那の恐ろしさを知らねぇからそんなことが言えんだよ」