「どうした」
「……」
「辛いか?」
「…いま、話しかけないで、息するのもきつい」
「薬は飲んだか?」
「うん」
「肩に寄りかかってもいいぞ」
「ありがとう」
「あまりにも痛かったら言え、幻術で楽にしてやる」
「聞こえが悪いね…」
「それか期間限定だが止めてみるか?」
「……あっち行け」
「半分冗談だ」
「人が痛がってるんだから余計なこと言わないで」
「少し昔話をしてやろう…うちはの歴史にまつわる話だ…」
「待ってそれダメなやつ」
「何故だ」
「途中で熱くなって大声出すでしょ」
「俺は声を荒げたりしない」
「………」
「痛いか?」
「ごめん…部屋に戻るね」
「お前の苦痛で歪む表情もまた良いな」
「…終わったら覚えておきなさいよ」