「デイダラさん」
「またか」
「お誕生日おめでとうございました!」
「……」
「その冷たい目はやめてください」
「ッチ、お前なぁ…失礼だとか礼儀知らずとか思わねーのか?うん?」
「暁に礼儀などとはこれいかに」
「いいか、暁であろうが忍である前にオイラは仮にも情を持ってる人間だ。確かに誕生日なんぞくだらねぇ。誰かに祝ってもらいたいなんてダセーことは微塵も思わねぇ。でもな、祝うなら節度を持ち礼儀を弁えるってのが筋じゃねぇか?」
「祝いの言葉を説教で返されるとは思ってなかった」
「ただ言葉に出して祝えばいいってもんじゃねー。お前も分かるだろう、うん?」
「はい、誠に申し訳ございません」
「オイラに何か言うことあんだろ」
「当日に声をかけられず心よりお詫び申し上げます。この度は19歳のお誕生日おめでとうございます」
「クククッ、ちゃんと言えるじゃねーか」
「…にしても今日のデイダラおかしいね?その変化といたらどう?赤砂のサソリさん」
「んだよ…バカみてぇなアイツの口癖も真似してたってのに」
「デイダラが小難しくてジジイの説教みたいなの、するわけがないでしょ。それで、デイダラは?」
「知らねぇ。お前がおめでとうの一言すら言ってやってねーから、しょげてたぜ」
「えっ、なにそれ可愛い」
「お前の一言で一喜一憂する単純なガキだからな、一緒にマンセル組む側としては落ち込まれちゃ困るんだよ」
「はい…」
「反省したらさっさと行け」
「でもどこにいるか…」
「気配探ればいいだろう、これだからガキは…」
「…サソリって」
「なんだよ」
「私とデイダラのお父さんみたい!行ってきます!!」
「デイダラ!」
「うん?」
「遅れちゃってごめん!なんか色々、ホント色々、小南さんと遊んだり、リーダーと暁の下っ端スカウトしに行ったり、飛段と猥談したりで忘れてたけど」
「おい!最後の猥談ってなんだ?!」
「誕生日!」
「聞けコラ!」
「おめでとう!!」