tns
2013/10/24 09:23
「…夜空さ、」「…音楽て、さ。誰かのために作った曲とか、ほんまに色々、あるやんか。」「はあ」「そういうの。素敵やとは思う。…けどな、私には分からへん。見えへんわ」「…夜空さん」「私の声は、私のものや。誰かのためなんて分からへんわ。」「…先輩、ずるいっすわ。」

「…夜空さんそれピアスです?」「ん?ピアスやないで。イヤリング。」「あ、そうなんすか。」「風紀乱したらあかんで〜」そうやってひらひら手を向けて去って行く先輩の耳たぶを見れば、しっかり空いているピアスホールが見えた。「…嘘ばっか、や。」先輩、ずるいっすわ。

眩しくて、思わず目を瞑った。暗闇の向こうに照明が輝く。ステージの上で高らかに歌い上げる彼女はどうしても遠い。「夜空、さん」呟きはかき消される。何が悲しいって、彼女は最初から、俺のことなどちっとも好きでもないということだ。彼女の歌声が、本当に好きだ。遠い、なあ。


♪クリープハイプ/おやすみ泣き声、さよなら歌姫
さよなら歌姫 最後の曲だね 君の歌が本当に好きだ。今夜も歌姫 すごく綺麗だ 君の事が本当に好きだ。歌声 歌声 でも君は泣いていたんだね。泣き声 泣き声 僕は気づけなかった。

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