夢と記憶、再生の魔女

角の生えた子は、木の実を取るための棒を使って楽しく暮らしていました。
「これで木の実を取るんよ。たこ焼きも焼ける、すぐれものやで!」
ところがある日棒が折れてしまいます。角の子は色々調べて「夢と記憶、再生の魔女」という人に助けを求めます。
「あのう、すみません。棒を直してください……」
「直してあげてもいいよ。でも、脳みそだ。新鮮な脳みそを持っておいで」
とんでもない要求をされました。
「棒一本直すのに脳みそ渡せるわけないやん! こんなん鮫トレードや!」
「まぁそれもそうだ。じゃあ代わりにその角をもらおう」
脳に近い部位・角には棒の記憶がたくさん残っています。魔女はそれを砕いて絵の具にして絵を描き始めました。
「まずは棒の絵を描こう。シアン・マゼンタ・イエロー」
赤・青・黄は色の三原色。全て混ぜると真っ黒になります。魔女が絵を描くと、空間もまた同じ色に染まります。
「次は赤・青・緑を使おう」
赤・青・緑は光の三原色。全て混ぜると真っ白な光が生まれます。今まで使った絵の具で、魔女は家の絵を描きました。
その絵を見ていると何だか眠くなってきて……角の子はいつしか寝てしまいました。
起きると元の家。角も棒も元通り。でも、魔女がそこにいました。
魔女・ベアトリーチェ。詩人・ダンテが「神曲」で描いた永遠の淑女。
煉獄から天国へ導く「至福を与えるもの」
「一生は一瞬のきらめき。お前の命の光が消えるまでの過程を私に見せておくれ」
何はともあれ魔女と共に暮らしてハッピーエンド


みたいな話を、リヴリーアイランドというスマホゲームで半月かけて書きました
リヴリーは着せ替えが豊富なので、色々フィールドや服を変えて毎日少しずつ書きました。
楽しかったです! そんなこんなでした!



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