万能なんてそうそういない




 
 
 
どうも、いろはです。



無事に、タソガレドキ忍者隊の見習い期間が終了しました。



「うん、文句無しの働きだな。これで見習い任務は終了だ。お疲れいろは」

『ありがとうございます諸泉さん』



諸泉さんから任務完了のサインを貰い、見習い期間で作成した全ての書類をもって忍組頭の雑渡さんを探す。あ、あそこで雑炊を啜ってらっしゃる。



逃げられない内にと、急いで雑渡さんの元へ向かった。



「いろはちゃんお疲れ。任務達成率は完璧だね」

『はい、ありがとうございます』



なんと雑渡さんから、労いの言葉を頂きました。脇役なのに出しゃばってすいません。



「………完璧だったけど、」

『そうですね』

「色は全滅だったね」

『すいません』



本当すいません、色の任務は全然ダメでしたすいません。



やはり、くの一になっても脇役は脇役。どんなに着飾って媚びを売っても、この私に魅力などあるわけがない。



『全ての相手に“平凡過ぎて興奮しない”と言われてしまいましたので、大変申し訳ないのですが今後の任務で色関連は失敗するかと。この通り平凡な脇役ですので』

「……もしかしていろはちゃん根に持ってる?」

『いえ』



根に持つというより、事実を言っただけなのですが。



「それにしても、この人達ホント勿体無いねー。ね、尊奈門」

「え?あ、はぁ」

『何のことですか』



雑渡さんが報告書の数枚を手に取り、ヒラヒラと揺らしている。



よく見るとその数枚は、私が失敗した色の任務の報告書だった。



『ああ、色の任務の相手の事ですか?平凡な脇役相手に興奮しないのは正当な理由だと思いますが』

「えー、そんな事ないでしょ。私いろはちゃんが誘って来たらヤっちゃうよ」












『雑渡さん、最低です』

「組頭、最低です」



何を言っているのだろうかこの人は。


 
「尊奈門まで!でも尊奈門もいろはちゃんが誘って来たらヤっちゃうでしょ?」

『諸泉さん、お昼ご一緒しませんか?』

「ああ、そうだな」

「話も聞いてくれない」











脇役にも脇役なりの魅力がある
(冗談なのに………、半分)
(半分本気なんですか正気ですか)
(そこまで自分を否定しなくても…)



 




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