ただの女狐じゃねぇか
「天女様、今日も可愛いな!」
「ウフフ、ありがとぉ」
「天女様、今日は町にでも行かないか?」
「えっ本当?嬉しい!」
「天女様、このお饅頭を一緒に食べようぜ」
「うん!一緒に食べよぉ!」
「天女様、僕と一緒に…うわぁ!」
「わっ、伊作クン大丈夫?!」
「天女様、その、これを貰って欲しくて……」
「うわぁ!ステキな簪!ありがとぉ文次郎クン!」
「天女様、……菓子を作ったから、一緒に食べないか……もそ」
「いいのぉ?ありがとぉ!」
キャッキャ、ウフフと桃色オーラをばらまく自称天女様。
あっちで、ちやほや。
こっちで、ちやほや。
さすがに、五年生以外の忍たまが自称天女様に心酔しているのはおかしい。
これは所謂、幻術的なものを使っているのだろうか。
自分で自分のことを“天女”だなんて言うくらいだし、何かしらの能力があるのかもしれない。
そんな自称天女様が、チラリとバレバレな男装の先輩に視線を向けた。
―――――クスッ、
勝ち誇ったような嫌な笑みを浮かべ、再び六年生とイチャコラし始めた。
これは、バレバレな男装の先輩が男装だって気付いてますね。
なんで忍たまにはバレないのに、平和ボケした素人(自称天女様)には男装だとバレるんですかね。もうこれは忍たま終わってますね。忍者諦めた方がよくないですかね。はい、脇役がすいません。
バレバレな男装の先輩がプルプルと震えているのを、健気にも「僕たちがいます」と慰める五年生。
それ、友人を取られて泣きそうになってるんじゃないですけど。
多分、挑発されてご立腹なんですよ。
こっちは騒がしくなりそうだから、くのたま長屋に帰るとしますか。
(ぶっちゃけ私は関係ないし)
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