一年は組出撃!(4/6)
「……庄左ヱ門どう思う?」
虎若が僕の方に顔を向ける。
「どう思うも何も、罠仕掛けてサクッと痛めつけちゃえばいいんじゃないの?」
「そうだね。先輩たちも天女様を助けて媚びも売れるし、天女様も懲らしめれるし一石二鳥だよ!」
兵太夫と金吾は好戦的な意見だ。
「そっか、そうだよね!今回は警戒組って言われてるから、天女と仲良くしなくてもいいんだもんね!」
どうやら虎若も、二人の意見に賛成みたいだ。
「………僕は、」
もう少し観察してみたい。
だって、今までの天女様と何か違う気がするんだ。ほんと、なんとなくなんだけど。
でも、まだ天女様に惑わされている先輩方がいらっしゃらないことは、内心ホッとしている。
何かが違う気がしても、天女様は天女様なのだ。
一年は組の学級委員長として、しっかりみんなを守っていかないと。
僕は、取り入り組の乱太郎たちが天女様を追いかける姿を見つめていた。
[50/56]
back