媚びよ、上級生!(3/9)
中在家 長次の場合。
「…………もそ」
『………はあ、』
「…………もそ」
『………はあ、』
「…………もそ」
『………はあ、』
なんだこれ。
何か言ってるみたいだけど全く聞こえない。なんだこれ。
というか、何言ってるかわからない上にものすごい睨まれてる。何、私なんかした?その顔の傷は私じゃないからな。え、違う?じゃあ何なんだよ気まずいんだよ!!
ホント悟れよマジで。こんな時はこの話をすれば大体解決するよ!的な話題を知らないんだよ友達がいないんだから。
これもう去ってもいいかな。沈黙になって結構経ってますけど去ってもいいかな。去ります。
『あー、えーっと、担当の人達がアレなんで、そんな感じなんで、失礼します』
よし、私うまい!
* * *
これは聞こえてない。
天女様は私の話に相槌を打ってはいるものの、顔に出ている。聞こえないし面倒臭いというのが顔に出ている。清々しい程に顔に出ている。
天女様に言っても仕方ないが、もう少し表情とかに気を遣った方がいいのではないだろうか。感情が丸出しだ。
文次郎はともかく、仙蔵が落とせなかったと悔しがっていたが………
納得できるな。
この天女様は、今までの天女様と少し違う感じがする。
なんというか、色恋沙汰に関する面が欠落している気がする。
どうするか、私は一度引いてみようか。仙蔵たちはまだ攻める気みたいだから、私は傍観の方に回ってもいいだろう。本音をいうと天女課題というものが面倒臭い。
天女様は仙蔵たちに任せて、静かに読書と図書室の本の整理がしたい。そうするか。
こうして私は、傍観に回ることにしました。
……………作文?
[40/56]
back