媚びよ、上級生!(2/9)
立花 仙蔵の場合。
「これは天女様!奇遇ですね、こんな所で会うなんて」
『……うわー、すご』
「確かにすごいですよね。もしかすると、私たちは運命で結ばれているのかもしれませんね」
『……うわー、勘違いしてる』
「そうですね……、え?」
『あ、何か用ですか』
「………え?」
『用がないなら失礼しますねめっちゃ睨まれてるんで』
「………え?」
あの人すげー。
お付きの女が沢山いらっしゃった。
あ、お憑きの霊か。
しかもリーダーっぽい霊が「気安く立花様に話しかけられないでくださる?」とか何とか言ってたけど、別に話しかけられたくて話しかけられた訳じゃないんですけど。
てかお前ら何で頭に“立花ファンクラブ”って鉢巻き付けてんだよ。霊なら白い三角の付けてろよ。
挙げ句の果てには「まさかとは思うけど、あんた立花様に妖術をかけてないでしょうね!?」なんてヒステリック起こしてるし。何だよあの女の霊共マジでこわい。大体、妖術って何だよ妖怪じゃねぇよボケ!
あ、はいすいません背後から睨まないで下さい視線がめっちゃ刺さってますすいません。
もうやだこわい忍者のファンクラブこわい。
* * *
何か違う。
何かが違う。
何故あんな面倒臭そうな顔をされなければならんのだ!!不愉快だ!!
この私が口説いてやっているのだからもう少し嬉しそうにするべきだろう!!不愉快だ!!
くっ、何が悲しくて天女なんぞ口説かねばならんのだ!!こっちの身にもなってみろ天女めっ!!
本っっ当に不愉快だっ!!!
よし、とりあえず文次郎を罠に嵌めてから一旦落ち着こう。
私は文次郎に八つ当たりするべく、罠を作りに行きました。
………ん?作文?
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