正しい天女の過ごし方(6/8)
「ぶっははははっ!!」
「あははははっ!!」
俺と勘ちゃんは天女の長屋から走り去り、思いっ切り吹き出した。
なんだあの天女!なんだ日本一って!よっ、日本一って!あの天女すっげぇ面白い!
天女は嫌いだけど、あの天女は結構嫌いじゃないかもしれない。
次の委員会の時、誘ってみようかな!あ、町に誘ってみようかな!なんか面白そうだ!
「日本一はないだろ日本一は!はははっ!」
「三郎の顔見た?あははっ」
今回の天女と三郎は相性悪いのかもな。意外に俺と相性バッチリだったりしてな!ははっ!
「思いっ切り棒読みだったな!」
「あれはどうみても褒めてないよね、しかも無表情っていうか顔引きつってたしね。ぷぷ」
いやー、やっぱ俺、あの天女結構好きかもしんないわ。三郎は脈無しっぽいし、俺の出番なんじゃね?これはもう俺の攻め時でしょ!
天女の面白いの見えるし、課題点貰えるし、一石二鳥だな!
やばっ、俺頭良い!
* * *
モヤモヤする。
「久しぶりにこんなに笑ったな!これも天女のおかげだな!ははは!」
「あ、うん。そう、だね」
モヤモヤ、する。
今更だけど天女なんかに笑わされたなんて、あんな天女なんかに。
多分だけど、ハチはあの天女に興味が湧き始めてる。
まずい、これが今回の天女の妖術なのだろうか。
どうしよう、ハチが、みんなが……
やっぱり、俺があの天女をさっさと落としてサクッと殺っちゃおう。
もう前みたいになるのは嫌だ。
俺はただ、卒業まで仲良くのんびり過ごしていきたいだけなのに。
だからお願い天女サマ、
俺に夢中になって?
楽に死なせてあげるから。
早く天に帰ってよ。
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