正しい天女の過ごし方(7/8)




 
 
 
風呂上がり、奴らはやって来た。



「卑弥子ー、来ちゃった」



紺ちゃんが壁からすり抜けて現れた。



来ちゃったじゃねぇよ。来るなよ。今から塩盛って寝るんだよ。まず寝不足だし、訳の分からない忍者達の相手で疲れてんだよ悟れよいつも後ろで笑ってるクセにあとそのすり抜け止めろやボケェェエ!!



「失礼致す!!」



え、うわー、もう一匹いた。お前もすり抜けて来んの止めろ!



よく見たらこいつ昨日の侍じゃねぇかマジか。なんでまた来たんだこいつ。



「なんかね、徳さんが卑弥子に話があるんだってさー。だから連れて来ちゃった」



だから、連れて来ちゃったじゃねぇよ。連れて来るなよ。今から塩盛って寝たいんだよ。何気に「徳さん」とかフレンドリー感を出すなよ。こっちは友達すらいねぇんだよデリカシーを悟れよ霊のクセにボケェェエ!!



「先日の無礼、誠にかたじけない。ご存知の通り、拙者は武蔵河徳之丞と申す!卑弥子殿に頼みがござって参った」



存じねぇよ。全くこれっぽっちも存じねぇよ。



『遠慮します』

「うむ、かたじけない。実は拙者は見ての通り霊体で……なぬぅぅううううっ?!」

『という事でさようなら』



侍の霊は、心底驚いたように叫んだ。この霊どんだけリアクションでかいんだよ。



紺ちゃんに至っては、また笑っている。ホント何しに来たんだ用ないなら去れよ。塩投げるぞコラ。



「そんな殺生な!どうか!どうかこの徳之丞の未練を!この武蔵河徳之丞の未練を果たさせてくれまいか!どうか!ど…」

『うるっせぇよ!どうかどうかうるせぇよ!!』



侍の霊が足元に縋ってくるが、すり抜けて縋れていない。というか私が避けている。



「どうか卑弥子殿ぉぉぉぉ!!!」

『黙れよォォォ!いつまでたっても寝れねぇだろ!昨日は危険日だったから寝不足なんだよォォォォ!!!』


 
迷惑だ!マジで迷惑だ!これなら昼間の褒められたがり忍者の方がまだマシだ褒めりゃいいんだから。



「ははは」

『はははじゃねぇよてめェェェェ!!』



お前が原因なんだぞチクショオォォォオオッ!!変なの連れて来んなボケェェエッ!!



 








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