危険な日のち安全な日(2/6)
あー、面倒くさーい。
何であの天女すぐに俺らを追っ払うの?何で媚びてこないの?何でにこりともしないの?バカなの?アホなの?
あーもう!早く終わらせたいからさっさと落ちてよー。
「勘右衛門」
隣にいた兵助が、ポンポンと肩を叩いた。
「気持ちは分かるけど、落ち着くのだ」
あれ、そんなに顔に出てたのかな?うーん気を付けなきゃ。
天女を厠へと案内したら、追い返された。帰り道が分からないだろうから、仕方なく待機してやろうとしてたのに。
案の定迷子になったらしく、しばらくしたら監視してたハチが連れて来た。
天女は相変わらず何考えてるかわかんない顔してるし、あと何か白い粉みたいなの付いてるし。
ただ、ハチの感じが違う。
もしかして、だけど、
あの天女、ハチに何か……
「ねぇ兵助」
「なんだ?」
「俺あの天女キライ」
今までの天女の中で一番キライ。
キライキライ。
その余裕ぶってる態度がキライ。
その余裕ぶってる顔がキライ。
俺たちを見てないその目がキライ。
「大っキライ」
最後にもう一度呟いた。
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