真夜中の緊急会議(2/5)
うーん、ハチが面倒臭い。
なんか言ってることめちゃくちゃだからよく分かんなかったけど、オバケを見たってことでいいんだよね?
すごく焦ってて、ハチの口癖の「おほー」が「おふぉー」になってた。ぷ、ウケるー。
「とりあえず食べない?ハチも夕餉まだでしょ?」
「えっ?!あ、ああ、いや駄目だ!飼育小屋の修理しないと!」
コロコロと表情を変えて、飼育小屋へと走り出したハチの首根っこを引っ張った。
「ぐえっ」
「ぱぱっと食べちゃいなよ。そしたらまた食堂に来なくていいじゃん」
「んー、そっか、そうだな!よしっ急いで食う!おばちゃーーんB定食ーーっ!」
バタバタとカウンターへと走って行くハチ。その後ろ姿を見て口元が緩む俺。あれ、なんか俺気持ち悪ー。
緩んだ表情を元に戻し、漬け物を箸で摘んで口に入れる。
もぐもぐ。
あーあ、天女サマなんかが来たから、またみんなバラバラの食事になっちゃうな。
もぐもぐ。
課題じゃなけりゃ、サクッと殺っちゃうのに。
ごくん。
別に寂しい訳じゃない。
せっかくみんなでワイワイ楽しく食べてた食事が、出来なくなるのが嫌なだけ。
別に一人で食べてたのが寂しかった訳じゃない。
ハチがあのまま飼育小屋の修理してたら夕餉は食いっぱぐれるし、毒虫探しの後で疲れてるから効率悪いと思っただけ。
あーあ、天女サマか。
やっぱり邪魔だわー。
あの天女サマってとろそうだし、サクッと落としてサクッと殺っちゃおっかなー。
俺は湯呑みを握り締め、くいっと茶を飲んだ。
……あ、ハチにぶっかけたからお茶ないんだった。
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