盛りまくれ、塩!(2/5)




 
 
 
「じゃあ、早速自己紹介ね!俺は五年い組の尾浜勘右衛門だよ」

『へーそうなんですね』

「同じくい組の久々知兵助です」

『へーそうなんですね』

「俺はろ組の竹谷八左ヱ門!よろしくな!」

『へーそうなんですね』

「僕は五年は組の門良太郎。よろしく」

『へーそうなんですね』

「五年ろ組の不破雷蔵です。よろしくね」

『へーそうなんですね』

「そして、私がろ組の鉢屋三郎だ」

『へーそうなんですね』



六人の自己紹介をちゃんと聞いた私は偉いと思う。ぶっちゃけどうでもいいっていうか名前聞いてる場合じゃない。マジで塩盛りたいから出てって貰いたい。コレ用事なんてないんじゃないの?嫌がらせか?ただの嫌がらせか?塩盛らせないつもりか?



『わざわざご紹介ありがとうございます。もう私に用はないんですよね?』



双子の片方が、一瞬顔をしかめたがすぐに笑顔に戻る。



え、なに、気に障ること言った?



「今日は天女様も疲れていると思うから、また明日にしようか」

「そうだな、いきなり過去に来たのだから頭が混乱しているのだろう」



この双子の話全く聞いてなかったけど、何だか出て行ってくれる雰囲気だ。うんうん、よかったよかった。



「すみません天女様、今日の夕餉はこの長屋でもよろしいですか?」

「明日の朝礼で紹介した後は、学園内ならどこに行って貰ってかまわないから」



黒髪で睫毛長い少年と髪の毛サラッサラ少年が私に話かけているが、“ゆーげ”って何。明日の朝礼って何の話?よくわかんないしとりあえず頷いとくか。



私の返事に納得したのか、一際笑ってるボサボサ頭の少年と変な……ゲフン、不思議な頭の少年を筆頭にぞろぞろと去って行く少年達。



完全に周囲に人がいなくなった頃合いを見て、部屋の中と外を見渡してみるが、思いのほか霊がいない。



この感じだと、数珠無しで過ごせるかも。なんだ過去なんて余裕じゃね?



やべ、ちょっとテンション上がってきたわコレ。もしかして睡眠妨害され歴十五年目にして、初の安眠が出来るんじゃね?



興奮した私は、ふんふんと鼻歌を歌いながら部屋の中をスキップした。







………あー、ヤバい。





部屋ん中で鼻歌歌いながらスキップとか恥ずかしいわ!!





今更気付いた私は、部屋の隅でうずくまり、赤くなった顔を隠した。




 








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