ハイテンションの結果




 
 
 
もう本当最高!!



だって、みんなとまたこうやって再会出来るだなんて思ってなかったんだもん!神様って本当にいるんだね!



「あ、尾浜ー!一緒に帰ろうぜ!」

「勘右衛門クン、今日もカラオケ行っちゃおうよぉ」

「あ、俺パス!兵助達と帰るから!」



キョトンとしながら「へいすけって誰?」とか言ってる友達を放置し、兵助の席へダッシュする。悪いけど、俺の優先順位は兵助達だから。ごめんねこれ常識。というか法律。もう兵助ってば、早く俺に話かけてくれれば良かったのに!相変わらずシャイなんだから!



「兵助!帰ろ!」

「ハチが甘味屋行こうってさ」

「ぷっ!!ちょ、甘味屋?!言い方言い方!!」

「さっき窓から矢羽音飛ばしてきたのだ」

「ぶはっ!ハチ調子乗り過ぎ!!」



もう幸せ!もう本当最高!!



やっぱり神様っているんだね!



俺たち五人は、昔話に花を咲かせながら下校する。「あの時さぁ」と笑いながら話す俺たちが、数百年前の昔話をしているだなんて誰が想像するだろうか。忍術学園にいた頃の思い出や卒業してからの話、それはいくら話しても時間が足りないくらいだ。



「兵助の部屋ってどこの寮だっけ?今日泊まってもいい?明日そのまま遊ぼうよ!」

「おっいいじゃん!俺も兵助んとこ泊まりたい!」

「渦寮なのだ」

「一緒じゃん!全然知らなかったし!」

「俺平寮だから風呂入って行くわー」

「じゃあ私雷蔵の部屋な!部屋隣だからすぐ行くからな!今日は一緒の布団で寝よう!二人で!!」

「三郎キモい」

「雷蔵辛辣っっ!!!好きっ!!」



今週の土日はずーっとこの五人で遊びたい!!あ、連絡先も交換しなきゃ!



もうヤバい!もう本当最高!!



神様ありがとう大好き!!



テンションは上がる一方で、三郎は変装用のメイク道具をネット注文してるし、ハチなんか電柱にいるカラスに向かって指笛吹いている。ぶはっ!ここで獣遁やめろって!!



「うーん……、でもなぁ」



兵助がいつ買ってきたのか高野豆腐をポリポリと食べ始めた横で、雷蔵が昔のように悩んでいる。あ、早くしないと寝ちゃう!


 
「雷蔵どうしたの?」

「えっ、あ、うーん、言うほどの事じゃないけど言うべきか……うーんうーん、」

「言って!寝ちゃうから言って!!」





その時、俺たちは気付きもしなかった。忍者をしていたのは昔であり、今は鍛練も何もしてない一般人同様という事を。





「あのね、あそこの黒い車なんだけど……」

「どれ?あ、アレ?」



雷蔵の視線の先に、ポツンと停車している黒い車。あの車がどうかしたのかな。



「おい雷蔵、あの車、ここ一週間くらいあそこにいるぞ」

「そうなんだ、今日は誰か乗ってるみたいだし」

「本当だ、エンジンかかってるの初めて見た」



どうやら、雷蔵と三郎とハチはあの車を知っているらしい。俺たち五人は、さり気なく近くの塀の内側に身を潜めた。



「見ろよ、降りてきた」

「全身黒い服にあの手に持ってるケースって、怪しさマックスでしょ」

「あ、公園の中に入るぞ!」



見るからに怪しい黒ずくめの男が、怪しいケースを持って公園に入って行く。俺たち五人も気配を消してその後に続いた。



公園の木に隠れて様子を窺っていると、もう一人黒ずくめの男が現れる。これは怪しい。



「(……どうする?)」

「(やっぱり警察じゃない?僕たち武器も持ってないし)」

「(私は証拠の写真を撮ろう)」

「(俺と勘ちゃんで警察に行くのだ)」

「(了解)」







「 おい 」





矢羽音で会話し、それぞれが動き出そうとした瞬間、俺たち以外の声が背後から聞こえた。



俺たちは、振り返って気付いた。



忍者だったのは、数百年前。



今は、ただの高校一年生なのだ。



「楽しいか?ガキ共」



あ、ヤバ……。





えっと、神様って、いるよね?











(こいつらどうします?)
(アレでも飲ませて捨てとけ)
とある元忍者たちのピンチ


 








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