五人そろってゴネンジャー!




 
 
 
私は大変なモノを目撃してしまった。



どうやら友人の八左ヱ門は、ほ、ほ、ほほ、ほもぉだったらしい。



先ほど走ってきた尾浜勘右衛門と抱き締め合っている。もうガッチリと。



尾浜勘右衛門は隣のクラスの学級委員長で、何度か顔を合わせた事がある。普通に喋りやすいし、良い奴だった。良い奴だったけど、ほ、ほ、ほもぉだったのか。



「ねぇ三郎、は、八左ヱ門って……」

「みなまで言うな」



隣にいた雷蔵も、考えている事は私と一緒らしい。



今考えれば、確かに八左ヱ門はスキンシップが多かったような気がする。もしかして狙われていたのだろうか……。



私と雷蔵が微妙な雰囲気の中、八左ヱ門と尾浜は楽しげに盛り上がっている。



そして、にっこりと笑いながらこちらを向いた。



「俺は仕返しがてら三郎な」

「じゃあ俺雷蔵ねー」



八左ヱ門が私に、尾浜が雷蔵へとじりじり近寄って来る。



「な、何だよ」

「大丈夫大丈夫、痛いの最初だけだって!」

「何がっ??!!」



え、何?!もしかしてナニ???!え、掘る気?!!私を掘る気なのかっ??!!!!



「ま、待て八左ヱ門。私にその気はないからとりあえず落ち着いてくれ落ち着け頼む一旦落ち着け!!」

「まあそんな硬くなるなって!リラックスリラックス!」

「できるかっ!!!私の危機だぞ??!!!!」



こいつ馬鹿か!!!世の中の男全てがほもぉだなんて思うなよ!!私は女が好きなんだ!!



じりじり近付いてくる八左ヱ門から、じりじりと後ずさる。



しかし、トン、と背中に当たった体育館の壁に退路を塞がれる。マズい、壁ドンされる。女子がよくキャーキャー騒いでる壁ドンされる。私男なのに壁ドンされる。



「さあ、覚悟しろよ三郎」

「……っ!!」



…………ああ、もう駄目だ。



私、掘られる。



八左ヱ門が私の顔の横に両手をついた。ああ、壁ドンされた。「ドン」ってしなかったけど、壁ドンされた。ちょっと違うかもしれないが、壁ドンされた。


 
さよなら、私の純潔。



とりあえず童貞じゃなくて良かったです。



「……せぇーーのっ!!」



ゴチンッッ!!!!!



「いだあああああああっ!!」



八左ヱ門から思い切り頭突きをくらった。痛い。とてつもなく痛い。いた……あれ?



額の痛みとは別に、頭に針を刺されたようなツンとした痛みが走る。



そう、私は、鉢屋三郎。



私は、変装名人の鉢屋三郎だ!!



チラリと雷蔵と勘ちゃんの方を見ると、雷蔵も思い出したようだ。勘ちゃんと抱き合っている。



「………三郎、どうだ?」

「………ハチ、」

「っ!!三郎!!俺の事ハチって……っ!!思い出したのか?!!」



ああ、思い出した。



全て思い出したさ。



心底嬉しいそうに両手を広げ、私に抱きつこうとするハチ。



私は、優しく微笑んだ。










「てめェ紛らわしいんじゃボケェェェエエ!!!!!」



ボカァァァァッ!!!!!



そして思いっ切りぶっ飛ばした。



本当はボッコボコにしたいところだが、前世を思い出させてくれたから今の一発で許しやる。



さて、ハチは放っておいて、



「らあああああああいぞおおおおおおおおおっ!!!私を覚えてるかあああああああ??!!!」



愛しの雷蔵!!



さあ!再会のハグをしよう!!











(雷蔵おおおお!!!)
(………三郎ウザい)
(あ、やっぱここにいたのだ)
((兵助えええええっ!!))
とある忍者たちの再会


 








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