「だめだ、アンタにこの旅は危険過ぎる」
『あら、か弱く見える?』
ナマエは艶めかしく微笑んだ。
「ナマエさんだっけ?おれの旅は遊びの旅じゃないんだ」
『知ってる。あなたが追うのは通称“黒ひげ”。白ひげ海賊団4番隊隊長サッチを殺した男…』
「!!」
『あたし情報通でしょ?』
エースは諦めた様に長い溜め息をついた。
「…一度でも危ねェと思ったら置いて行くからな」
『さすがあたしが惚れた男!じゃあヨロシクね!』
(…ん?惚れた男?)
スッキリしたように料理を食べるナマエ。
(…聞き間違いか?)
エースも、再び料理を食べ始める。
(一瞬見とれただけで別に惚れた…訳…で…も…)
―――――べちょ。
「えっ!お客さん?!」
お店のマスターは、いきなり料理に顔を突っ込んだエースに驚き慌てる。
がたァァァァーん!!!
「えっ!こっちも?!」
エースが料理に顔を突っ込んだ直後、隣りのナマエも椅子ごと後ろに倒れる。
「いっ医者はいるかー!!」
「いや、マスター!コイツら見てください!」
慌てているマスターに、周りの客が2人を指差す。
「んごォ…」
『スカー…』
「…???」
マスターは倒れた2人をよく見つめる。すると両方から寝息が聞こえていた。
「…ね…寝てる?」
マスターがエースに声をかけようとすると、勢いよく頭が上がった。
「…わっ!!」
「いけね。…寝てた」
「「えぇーーーーっ!!」」
周りが一斉に叫ぶ。
その直後に、ナマエもいきなり起き上がる。
『あら?なんで椅子が倒れてるのかしら?』
((こっちは自覚なしかよッ!!!))
周りの客は心の中で一斉に突っ込んだ。
『マスター、このパスタおいしいわね』
((しかも普通に流したァァーッ?!!!))
ナマエは何事もなかったように料理を食べ始める。
全くもって似た者同士である。
(な…なんだこの客は…)
マスターは驚いて、ただ立ち尽くして2人を見ていた。
ヒトメボレ
(やっぱ写真より実物がいいわ)
(はい?)
(あたし手配書に一目惚れしたの)
(ふーん、じゃおれは一見とれだな)
(ヒトミトレ?)
(ま、そんな感じ)
(やっぱ写真より実物がいいわ)
(はい?)
(あたし手配書に一目惚れしたの)
(ふーん、じゃおれは一見とれだな)
(ヒトミトレ?)
(ま、そんな感じ)