センセイの鞄
川上弘美

高校の頃の国語教師のセンセイと再会する主人公の月子(ツキコ)。二人のやり取りは読んでいて、初々しさ、また 歳の差を所々で感じられるところに 微笑ましくもあり、現実を突き付けられ切なくなります。

元先生と元生徒との関係に全く、いやらしさというものを感じさせないよう描写されていて そういう点でも オススメです。



――噛んでいる口もとが、歳のいった人のものである。わたしもあわびを噛んだ。おそらくわたしの口もとは、まだ若い者のそれだろう。わたしの口もとも、歳のいった人のようになればいいのに。その瞬間強く思った。
(「島へ その2」の章から抜粋)



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