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020.ないしょばなし



 激しい戦いの音を耳にしながら、リュカ達は結界の中にいた。

「身体が思うように動かん」

 そうボソリと呟かれた声には不機嫌そうな響きを持つ。リュカを始め、影響を受けた者達は皆魔道具によって張られた結果の中で身体への影響を薄めようと躍起になっていた。
 自力で起き上がれる程にまで回復したリュカもまた、手を握ったり開いたりとを繰り返し、力の入り具合を確認する。けれども残念な事に、握る手は震えていたし、力を込める事が出来ない。剣を握るどころか、恐らく立ち上がる事すら困難だろう。それに加えて、魔力の気配を読む事も、人の気配を読む事も困難を極める。
 戦闘に参加するなど、到底無理な話だった。

「狙われたのは、魔力の強い我々ーー手っ取り早く魔術師を潰すためか」

 呟くようにエレーヌが口を開いた。リュカが彼を見れば、彼もまたリュカと同じように震える手をジイと見つめている所だった。リュカの視る限り、彼の受けた影響はリュカのそれよりも深刻そうに視えた。

 多量の魔力は、一度荒れると大海の波のようにうねりを伴い、中々凪ぐ事が無い。魔力の保有量が多ければ多い程、その影響は顕著だ。エレーヌと同等のジャンも、やはり似たようなものである。ジャンは上手く流れをコントロールしているのか、徐々にではあるが収まりつつある。魔力を使うとまではいかずとも、徐々に平常に戻しているらしかった。
 そのような彼等を視て、リュカは素直に感心した。ジャンもエレーヌも、初めてだろう攻撃にも容易く対応してみせている。それどころか、既に攻撃による影響からは抜け出しつつあるのだ。
 リュカの対応速度とは大きな違いだ。リュカの魔力量は人には言えない程だという事や、リュカが魔術師では無い事を鑑みたとしても尚、彼等の技術はリュカの予想以上だった。
 これが本物の魔術師か。リュカはしみじみ思うと同時に、胸の奥が多少もやもやとした。どんなに願ったって、自分が魔術師になる事はないのだ。
 だからこんな感情は今のリュカには不要なもの。無視をしながら考えぬようにしながら、リュカは彼等の話に加わるのである。

 エレーヌやジャン、カズマにラウルも加わり術の影響と対策とを練る。他にする事もない、というのもあったが、二度も同じ手を食らってたまるかという、彼等の意地もあった。

「魔力を察知する器官に、何らかの力を捻じ込まれたような、そんな感覚のものだったかと僕は思います」
「うん、俺も魔力ごとぐちゃぐちゃに掻き回された感じする」
「……魔術師ではない俺達も影響を受けたという事はつまり、魔力の大きさというよりも察知器官に限定した攻撃を受けたという事だろうか」
「私も、ラウル殿と同意見です。あの時は、魔力の発生源を特定しようと全神経を集中していましたから……」

 時折リュカも言葉を挟みつつ会議は進む。魔術に関する事柄ではあるが、それはリュカの思っていたよりも気楽なものだった。
 彼等は皆、リュカが魔術を使えない事を理解した上で、その上で魔術について議論をしている。必要以上にリュカが魔術師でない事を話題に出したり、ベルジュ家の話を絡めるような事は勿論なくて、リュカはホッとする。

 リュカの周りに居た魔術師達は皆、いつだってリュカの揚げ足を取りたくて仕方のない者達ばかりだった。ベルジュ家を羨むもの、疾視する者、利用しようとする者。それらはいつも、一番立場の弱いリュカを付け狙っては貶めようとする。ベルジュ家の親戚の者達だって、同じようなものだ。信じられる者は肉親だけ。たったの三人だけだった。
 だからリュカは狡猾に成らざるを得なかった。嫌味にも耐え、反撃の手段を考え、情報を集めて家に迷惑のかからないように立ち回る。騎士団に入ってからはそのような事は減ったが、しかし何処にでも付いて回った。
 気を抜く事なんて、到底出来る筈もなかった。

 だから今こうして、何の気負いもなく彼等と魔術に関する議論をしている事が、リュカにはとても新鮮で心地良かったのだ。もう、彼処へは戻りたくない。そうリュカが思ってしまったのは何度目だったか。

「全開だった器官へ攻撃を叩き込まれたと……もしそれを防ぐならばやはり結界か」
「でしょうね。魔力を、対象として全振りしたものであれば、恐らく」
「形式は?」
「平面的……盾のように使用するのであれば確実に効果はあるでしょうね。全方位であるならば、術式範囲に検証の必要があるかも」

 エレーヌの問い掛けに、ジャンが片手でジェスチャーを用いながら説明する。簡易的に手のひらサイズの結界を見せつつ説明を加えた。それを見て、カズマはギョッと声を上げた。

「えっ!ジャンはもう魔術使える感じ!?」
「ん?ああ、これは魔術というか……擬似的に魔力を可視化してると言うか……兎に角そう難しいものでもないです」
「……ダメ、ぜんっぜん想像つかない!」

 カズマの反応に一頻り苦笑した後で、ジャンは話の先を続ける。

「それにしても……現れた魔王一族からは魔力の気配が殆ど感じられなかったんですけど。この魔術を使用したのって、彼じゃないですよね。一体誰なんでしょうか」

 言いながら、ジャンは視線を先程突然現れた男へと向ける。つられてリュカも見れば、丁度ゲルベルトとローラントが二人がかりで男に斬りかかる所だった。それを易々と素手で受け止める男はなかなかどうして、見てくれに違わぬ剛力の持ち主だった。相対する人数の割に、存外苦戦している様子は心臓に悪い。
 それを目にして、リュカはふと、もう1人の存在を思い出す。あの少年の存在は、脅威だと思った。

「あの声……」
「?」
「あの少年が魔術師なのでしょうか」

 リュカが呟くように言えば、全員の目が一斉に向いた。あの少年の声は確かに、“魔術師を潰した”とそう言っていた。少年は戦わないとの宣言通り、表に出てくるつもりがないようだが。今回の襲撃に、彼が大いに関わっている事は明白で。真に恐るべきは彼の方ではないのかと、リュカはほとんど確信を得ていた。
 だがそんな中。

「少年?」

 エレーヌに言われた瞬間、リュカは言葉の意味を理解しかねて言葉を失う。一呼吸置いてから、リュカは問うた。
 心臓の音がやけに大きく聞こえ、震えそうになる声を抑えるのに苦労した。

「……声が、聞こえませんでしたか?少年とあの男の会話がーー?感覚を潰したのが少年で、あの男は魔術が使えないと」

 それを聞いたエレーヌ達の怪訝そうな表情は消える事はなく、リュカは酷く狼狽えた。まるでそれは、自分が何か|拙(まず)い事をしでかした後のような気分で。リュカは務めて平静を装おうとするも、それはかなりの困難を極めた。

「私は聞いていない。他は?誰か聞こえたか?」
「いや」
「僕も聞こえなかったです」
「俺も」

 リュカは今度こそ絶句した。久々の疎外感に、幼い頃感じた違和感を思い出して凍り付く。
 必死に他人の常識を叩き込んだ苦い記憶が、たちまち蘇ってくる。なぜ、他者と自分はここまで違うのか。魔力の事も魔術の事も誰とも違う。誰かと何かしらの共通点が少しでもあれば、リュカはここまで擦れる事はなかったかも知れない。
 リュカはいつだって、悪い意味で特殊だった。今更になってそんな当たり前の事を思い出してしまって、リュカは今まで散々感じてきたはずの気味の悪さに、酷く動揺していた。

 同じように他の人とは違うカズマが現れ、リュカは少しだけ安堵していたのかもしれない。
 膨大な魔力を有しながら、それでいて魔術の使えない自分。過去に同様のケースは見られなかった。原因不明。誰にも理由は分からない。
 一体自分はどういうにんげんなのだろうかと。それが分からなくて、リュカはいつだって自分を見つけなければならないという焦燥に駆られるのだ。

「……なぜ、」

 そう呟いたリュカの声は震えていたかもしれない。その先の言葉は、今のリュカには続ける事が出来なかった。
 何故他人に聞こえない声が聞こえたのか。何故魔力を持っているのか。何故魔術師になれないのか。
 誰の助けも望めない底無しの闇に、自分一人が放り出されたような気分になって、リュカは場の空気に一人溺れる。

 そして、そんな悪い事態というのは図ったかのように重なるもので。それはまたしても突然の出来事だった。

「あっはは!おにーちゃん盗み聞きはダメじゃない。ーーちょっと、黙ってようか?」

 リュカの背後、すぐ傍で突如響いてきた声に、身体が一瞬震える。つい先程聞いた、幼さに末恐ろしさを滲ませる声だ。結界の内側から、その声は響いてきていた。

「!」
「ナイショ話が聞こえちゃうのはマズイんだよねぇ」

 リュカが振り返った先に居たのは、見た目は10歳程だろうか、黒髪の小綺麗な少年だった。無邪気に笑う様子を見る分には、ほとんど街中に居る子供と変わらないのだが。
 その少年の居るその場所は、真っ黒な闇に覆われていた。真っ黒い影だ。穴とも見間違うような円形の真っ黒な影が、不気味に揺らめいている。
 少年の下半身がその影にすっぽり埋まっている。そして少年は、リュカの目の前で和かに微笑みながら言った。勝ちを確信している口振りだ。

「まだ身体動かない?でもまぁ、仕方ないよねぇ……兄ちゃんはとびきり魔力に疎いから、こうでもしないと互角に戦えないしねぇ」
「……きみは、」
「もう黙って」

 少年はそう言って、身体を影から思い切り乗り出したかと思うと。リュカの右腕をグイと掴み、そのまま、真っ黒な影の中へとリュカを引き摺り込んだのだ!

「オイッ!」
「リュカ!」

 手を伸ばすカズマの姿が、リュカの目に映る。それを掴もうと左手を伸ばすも、指先が僅かに掠るだけ。
 なす術もなく、リュカは頭から真っ黒い世界へと引き摺り込まれたのだった。


 引き摺り込まれた空間の中、リュカは体勢を崩しながらも冷静を保とうと息を整える。恐ろしくもあったが、掴まれていた腕は気付いた時には解放され右腕は自由になっている。
 だがこんな真っ暗なこの空間で一体何が出来よう。自分が入ってきただろう入り口は兎も角、出口など何処にあるのか見当もつかない。果てしない闇。ぞわぞわと足元から這い上がってくる恐怖に、リュカは思わず震えた。このままずっと、自分は永遠に閉じ込められてしまうのか。

 そのような事をリュカが考え始めた時だ。
 あの少年の声が聞こえた。敵であるにも関わらずホッとしてしまって、キョロキョロと周囲を見渡す。だがあの少年の姿は見当たらない。その声だけが聞こえる。

ーーいいなぁ

 先程耳にしたものよりも、リュカにはその声が少しだけ幼いように感じられた。

ーーいいなぁ。ぼくもあそびたかったなぁ

 そんな声が響く中、リュカの目前に段々と風景が浮かび上がってくる事に気付く。それが現実なのか、幻術のようなものなのか、リュカには判断がつかない。

ーーいいなぁ。ぼくも、おとうさんとおかあさんといっしょにいたかったなぁ

 しかし、確かに風景が見えた。緑豊かな森の近くに|聳《そび》える大きな木の家。リュカの良く知る家と森と。それが何処だかすぐに分かってしまって、リュカは思わず息を呑む。

ーーいいなぁ、僕も、おとうととあそびたかったなぁ

 あの家の中は暖かくて、リュカの父も母も、優しい人だった。いつも頭を撫でてくれたし、幼い頃の弟は今と違ってリュカにも駆け寄って甘えてくれていた。

 目の前に浮かび上がる風景に、段々とリュカの息が荒くなる。落ち着け、落ち着け、と自分の胸に手をあてるも、あまり効果はなかった。何故、一体何故、と反復するだけで頭の中は真っ白になる。その目の前に広がる景色は、リュカの育った家だった。最早、思考は正常では居られない。

ーーいいなぁ、いいなぁ。あそこは、ぼくがいるはずだったのに

 そう呟く少年の声と同時に、リュカの目に映ったのはーー。ほんの小さな、幼い自分の姿だった。途端、リュカは息が止まってしまったような錯覚を覚える。
 そして次の瞬間。

「見たな?」

 目を見開いたリュカの目の前に、表情の無いあの少年の顔が突然現れて。リュカは、自分が喰われてしまうかのような錯覚に陥ったーーーー



「リュカ!?しっかり!」
「ァッ!」

 聞き覚えのある声に肩を掴まれ、リュカは身体を一度大きく震わせると、現実へと引き戻された。目を見開いたリュカの目の前に、自分を心配そうに見つめる仲間達の顔がある。
 改めて自分の置かれた状況を確認すれば、リュカはその時右腕を下敷きに地面に横たわっているようだった。
 全力疾走したかのように疲弊し、身体中から汗が吹き出してくる。ちゃんと彼等の元へ帰れたのだという安堵と、未だ心の中に残る果てしない恐怖とがごちゃ混ぜになる。
 夢と現実の区別がつかない程リアルな感覚に、恐怖が抜け切らない。ぐるぐると少年の言葉が頭を回り、闇に放り出されたあの感覚が蘇り冷静な思考が阻害される。
 そうしてとうとう耐え切れなくなったリュカは、ぐるりと俯せになり上体を持ち上げて、その場で嘔吐した。

「ぐっ、う、おえっ!」

 気分の悪さで身体が震える。いつまで経っても気分が良くなる事はなく、リュカはしばらく震えながら無言で這い蹲っていた。

「何だ!一体、何があった!?」

 駆け寄って来るアンリ達の様子をみる余裕すらなく、リュカは嗚咽しながらただただ吐き気に耐える。

「りゅ、リュカが、アイツらの影の中に連れてかれて……、ラウルが、咄嗟に引き上げてくれて」
「影?」
「あの魔王一族の男と同じだな。連中が移動にでも使っている空間のようなものだろう。ーーだが、我々人間が足を踏み入れれば、この通り。無事では済まんらしい」

 リュカはそれを耳に入れながら、しかし声に出さず否定した。違う、そうではないのだ。そんな事に、リュカは震えているわけではない。恐怖した訳ではない。

 何故だと、リュカは心の中で反復する。何故、アレは子供の頃のリュカを知っているのだーー。
 呼吸はしばらく整いそうになかった。それでも必死に、リュカは自分を宥める。大丈夫、大丈夫、家族に危害が加わる訳ではない、何故ならば自分が此処にいるから、と自分自身に思い込ませるのだ。
 あの少年(本当に、彼が少年なのかは疑問だったが)は、自分を見てそう言った。ならば狙いは自分のはず。大丈夫、大丈夫、そうリュカは何度も自分に言い聞かせた。

 そして不意に、自分の背中を撫でる体温がある事に、リュカは気が付いた。誰かに背を撫でられるのはいつぶりだったろうか。何故だか、その他人であるはずのその体温に安堵して、リュカは少しずつ平静を取り戻していく。
 漸く整ってきた息で、大きく深呼吸をする。まだ、その吐き出す息は震えていたが、大きな動揺はようやく過ぎ去ってくれた。思い込ませる事で、自分の中での整理がついたのだ。
 これは自分の問題である。少年の目は真っ直ぐに自分を見ていた。憎むような、嫉妬に狂うような、あの目。
 何故それなリュカだったのかは分からないけれど、少年はリュカの何かを知っている。それはただの推測でしかなかったが、何故だか確信にも近いような気がした。

 呼吸が整ってしばらくしても、リュカはそのまま動く事が出来なかった。先程のような恐怖からではない。余りにも、背に感じる温度が心地良かったから。その時間を享受しながら、その時が来るのを待つ。自ら動くには、その一時はリュカにとって余りにも心地良すぎた。

「リュカ?大丈夫?」

 未だ地を向くリュカに声がかかる。カズマの声だ。リュカはそれを潮時と捉え、未だ多少震えの残る右腕で顔全体を拭った。

「ええ……なん、とか」

 顔をゴシゴシと拭いつつ、くぐもった声でリュカが応えれば。周囲はあからさまに安堵の息を吐いた。
 今更ながらに羞恥を感じ始めたリュカは、顔を拭うフリをしながら目をこっそりと上げた。その場には、アレクセイの面々のみならず、帝国の彼等すらも集合していた。

「戦況、は?」

 一通り顔を拭いきった所で、リュカは恥ずかし紛れに聞いた。

「それは大丈夫。アイツら、逃げてったよ。ローラント達が頑張ってくれたみたい」

 ホッとしたように気の抜けた声が、隣に座るカズマから聞こえる。彼の手は未だリュカの背に添えられ、リュカの平常心を保つのに一役買っている。
 それに安堵しつつも、リュカは自分に少しだけ苛立ちを覚えた。またしても帝国に遅れをとった。自分がちょっかいを出されている間に、彼等は彼等だけであの強力な力を相手に均衡させてみせたのだ。それが少しだけ悔しくて、次こそは負けじと、そんなような気分になる。そんな事を思うだけで、リュカはまだまだやれる気になれる。

「そ、ですか……」

 その場で大きく息を吐き、腹に力を込めるとリュカはゆっくりと立ち上がる。隣のカズマからは、無理しないで、だなんて静止の声が聞こえるが、リュカは手を上げる事でカズマのそれを制止させた。
 奇妙な疲労感と痺れにリュカはふらつくも、こんな事で倒れていては騎士団の一員として示しがつかない。こんなものは怪我の内にも入らない。
 戦場では立ち止まった者から、迷った者から死んでいく。だからリュカは、こんな所で立ち止まってはいられないのだ。目的の為にも走り続けなければならないと。そう、思考して、リュカは突然はたと気付く。
ーー目的って、何だ?
 先程まで考えていた事が何なのかすっかり分からなくなってしまって、リュカは益々訳が分からなくなる。
 突然、立ち上がって動きを止めたリュカを不審に思ったのか、カズマが声をかけるが、リュカはそれに応える余裕もなかった。深呼吸をするように大きく息を吐き出しながら、リュカは呆然と地面を見つめた。

 そしてとうとう、そんな様子のリュカを見兼ねたのだろう。その場で様子を伺っていたアンリが言った。

「ジャン、やれ」

 真っ直ぐリュカを指差し、アンリはジャンへと命令を下す。それは普段、味方へ向けるようなモノでは無い攻撃の合図。リュカは目を剥くも、それは一瞬の出来事だった。

 反応する間もなく、ジャンの無詠唱の速攻魔術はリュカを直撃する。やられた、とリュカが思う間もなく、彼の意識はあっという間にブラックアウトしていった。

「ごめんなさい」

 苦笑するジャンの言葉を最後に、リュカの意識は心地良い眠りの中へと旅立って行ったのだった。

「良い夢を」

 そう呟いた誰かの声を、リュカが聞く事はなかった。





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