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01



「魔法って、どうやったら使えるようになるの?」

青々とした芝生の上で青い青い空を見上げながら、ルークスはポツリとつぶやいた。赤茶けた自分の髪をかき揚げ、ねぇバルト、と動かした視線の先には白銀の短髪を地に散らす男の姿がある。
芝生で覆われた丘陵地帯には、彼ら以外に人影は見当たらない。見えるのは草花を喰らう動物と、飛び回る虫。

「どうした、いきなり」
「……なんとなく」

突然の問いかけに、バルトはギョッとしたようにルークスを見、言葉を返す。他愛ない話に紛れ込んだ真剣な問いに、彼は驚きを隠せなかった。飄々として内心を語らないルークスが、唐突に漏らした言葉。ルークスの特殊な事情が裏にあると、どうしても思えてならなかった。

「感覚で分かるんだ、力がなかにある、っていうのが。それの使い方も、最初からなんとなく分かる。……普通はな」
「ふぅん……」

分かったのか分かっていないのか、ルークスは曖昧な返事を返すとバルトから顔を逸らしてしまった。なんだかなぁ、バルトはもやもやと煮え切らない思いでルークスの横顔を見つめた。


二人で横に並び寝転がりながら青々とした空を見上げる。
別々な道に進む前の、最後の一時だった。






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