CLAP
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たまたま入ったゲームセンターに先輩がいた。

クレーンゲームの前を行ったり来たりしていて、
挑戦するかどうか悩んでいるみたいだった。

声を掛けた所で、俺に出来ることは無いが、
なんだか気になってしまい、チラチラと様子を伺う。

何往復かしたところで、覚悟を決めたのか、
財布から小銭を取り出し、投入口へ1枚落とす。

クレーンゲームに挑戦する先輩は真剣だった。

狙っていた景品は、1度アームに掴まれたが、
取り出し口へ向かう途中の衝撃により、手前で落ちてしまう。

"やはり駄目だったか"というような顔をした先輩は、
そのままゲームセンターから出ていった。

ゲームセンターに入ってから、
別々に行動していたクロと合流した時、
先輩がクレーンゲームに挑戦していたことを話すと、
"俺もやってみよう"と言って、財布を取り出す。

先輩が狙っていた景品は、
先輩が挑戦した時のままの場所にあったが、
やはり、アームの動く衝撃で、
なかなか上手く掴めないようだった。

そして何度か挑戦し、ようやく景品が取り出し口へと落ちる。

取り出した景品を持つクロに"どうするのか"尋ねれば、
学校で会った時、先輩にあげると言う。

後日、景品を先輩に渡すクロをみかけた。

遠慮する先輩へ"たまたま取れたから"と言うクロ。

何度も挑戦したというと、格好悪いと思ったんだろう。

それからも、クロは、先輩が欲しいだろう景品をみつけると、
クレーンゲームをやるようになった。

その度に先輩へプレゼントするので、
先輩はクロがクレーンゲームの達人なのではないか、
そう思っているだろう。

あのこは知らないだろうな

title.英雄

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