むっつり家庭教師×無知ぼっちゃま

むっつり家庭教師×無知ぼっちゃま


問1 以下の空欄に当てはまる語を書きなさい。

1.(     )とは、手や道具を用い、性的快感を得る事である。自慰とも呼ばれる。




「では、ぼっちゃま。一問ずつ解いていきますよ」


 本来であれば数学の時間だが、学年末テストの一日目に保健体育があるらしい。

 それを聞いて急遽教科書を読み込み、問題を作成した。内容は一般常識的な部分が多く、さすがのぼっちゃまでも解けるだろうと高を括っていたが――――

「ふむ、ふむ」
「……ぼっちゃま」
「ふむ〜〜……」

 これはだめだ。全く分かっていない時の反応である。

 しかしぼっちゃま、閃いたような顔で空欄を埋めた。ああ、この顔もだめだ。ぼっちゃまの顔を見れば、解答用紙を見るまでもなく手に取るように分かる。

「できた」
「では、拝見……」


1. ( しこしこ )とは、手や道具を用い、性的快感を得る事である。自慰とも呼ばれる。


 俺はある意味ぼっちゃまを尊敬している。なぜ、こんな解答をしておいてそんな顔ができるのか。なぜ、自信満々キラキラな瞳で見つめてくるのか。

 なぜ、このアホ面がこんなにもちんぽに響くのか。

「模範解答はマスターベーション、もしくはオナニーですよ。何ですかしこしこって」
「しこしこは、しこしこだよ」
「……はあ。普通の男子なら正答率100%でしょうに」


 ぼっちゃまは赤ペンで解答を書き直し、新しく覚えた言葉を繰り返している。ますたあべえしょん、ますたあべえしょん、小さな唇を尖らせて、「ふむ」、覚えましたよとばかりに鼻を鳴らした。

「ではぼっちゃま、マスターベーションの意味を説明してみてください」
「そ、それは……しこしこ、する事」
「悪い癖ですよ。単語だけ覚えるのではなく、意味も理解しないと」
「だって……ぼく、自分でしたことないんだよ。意味なんて、よくわからないし……しこしこじゃ、だめ?」
「だめです」


 自分でしたことがないなんて、いくら箱入りのぼっちゃまと言えどそんな事は――いや、ありえる。大いにありえる。
 この家の執事たちは、ぼっちゃまをダメ人間にする勢いで甘やかしている。ぼっちゃまのお願いは何でも聞くし、気持ち悪いくらい彼に尽くしているのだ。
 自慰も代わりに行っている可能性が高い。

 しかしこのままでは、ぼっちゃまは本当に何もできないダメ人間になる。せめて俺は教育者として、彼を立派な人間に育てなければ。

「マスタベーションのみならず、ぼっちゃまは性知識への理解が足りないようです」
「せいちしき」
「はい。なので、理解を深めるため……実技をしてみましょう」

 自分の事は自分でできる、一人前の人間に。

「まずは、マスターベーションの実技です」


 自分のちんぽの面倒くらい、自分で見られるように。




***




「き、北乃、北乃……」
「はい?」

 ふかふかのベッドに寝かせ、ズボンを脱がす。柔らかそうな太ももをガン見していたら、ぼっちゃまが恥ずかしそうに声を上げた。

「あ、あのね、だめだよ……」
「何がいけないのでしょう? はあ、はあ これは授業です、健全な授業ですよ……
「ぱ、ぱんつ! 脱いじゃだめなの。南条がね、勝手に脱いだらだめって言うの」

 サクランボ柄の可愛らしい下着を、脱がされまいと上に引っ張り上げている。股間のラインが強調されて大変えっちだ。鼻血が垂れてきたのを一瞬で吸い込む。

 南条というのは、たしかぼっちゃまの専属執事だ。かわいそうなぼっちゃま。執事の言いなりになっている。これではどちらが主人でどちらが従者なのか分かったものではない。

「……南条さんには許可を得ています。だから、脱がせますよ」
「なんだ、それならいいよ」

 それにしても南条も哀れな男だ。ぼっちゃまはこの通り頭が緩いお方なので、いくらでも騙せるというのに。

 俺はあえて、じっくりと時間をかけて脱がせ始めた。ぷるん と弾けるような、小さなおちんちん。むちむちのおしりに隠れている、慎ましやかなアナル。再び垂れてきた鼻血を慌てて吸い込む。
 下着は足首まで下ろし、そこで止めた。ちょっとした足枷の出来上がりだ。

「はあ、はあ……
「北乃?」
「い、いえ、なんでもありません。さて、では始めましょう、マスターベーションを」

 実技というからには、見本を見せなければならない。
 俺も同じよう下着を下ろすと、グロテスクなちんぽがボロン と出てきた。それを見るぼっちゃまの丸い瞳。

 ああ、自分のものと見比べて口を開けている 「おっきい」と本音が漏れている ああ、これだからぼっちゃまの家庭教師は辞められない 

「は、はあ、ぼっちゃま、ふふ、よく観察してください…… 陰茎も陰嚢も、パンパンに張っているでしょう……はあ、はあ……
「北乃、どうしてはあはあしているの?」
「それはもちろん、ぼっちゃまにいやらしい事を仕込むのが楽し、いえ、授業が楽しいからですよ……


 念のために確認しておくが、俺にはやましい気持ちなど一切ない。

 ただ、ぼっちゃまの性知識のなさを憂い、家庭教師として知識を身につけさせてやりたいと思っているだけ。教育者として、その信念に燃えているだけだ。

 本当に、やましい気持ちなど、ないのだ……


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