甘やかし寡黙旦那×元ヤン妻♂

甘やかし寡黙旦那×元ヤン妻♂


※おしっこ
※小スカ
※お小水
※おもらし
※おねしょ
※しーしー




布団の中がジメジメしている気がして、目が覚めた。
 隣で眠る彼の下半身を触ってみると、案の定ぐっしょりと濡れている。

「ノリ……起きろ、ノリ」

 また、ノリがおねしょをしていた。今年で28歳になる妻♂、ノリ。おねしょ癖がなかなか治らない、ノリ。

 まんこがキツイ分、ちんぽの穴が緩いのかもしれない。相変わらず、大人とは思えないか弱さだ。
 俺が守ってやらねばならない。


「あ”ーーんだようっせえなぁ……日曜くらい寝かせろや、バカ旦那がよぉ……」
「布団を干す」
「……えっ」

 不機嫌な態度が一変、彼はキュウリを見た猫のように飛び退いた。そして冷や汗をかきながら掛け布団をめくり、耳まで真っ赤になって俯く。

「わ……わりい……」
「いや……ノリがおねしょをする時は、大抵ストレスを溜めている時だ」



 大きな地図だ、と零しながら布団を持ち上げると、彼の目に涙が溜まっていく。別に嫌味を言ったわけではないのだが、いつもキャンキャンと吠えてくる彼がしおらしくしているのが堪らなくて、少しいじめてしまう。

 ダメになった布団は数知れずだが、とても叱る気にはなれない。


「干してくる。お前はゆっくりしていろ」
「いい、俺がやるし……お、俺がおねしょしたんだから……」
「ゆっくり、していろ」
「あ、お、おい……っ待てって、俺もやるって!」

 布団を奪おうとする彼だが、俺より力が弱いせいで思うようにできないらしい。その悔しさから、ますます潤んでいく瞳。

 こんなに弱いのに、よくヤンキーなんてできていたものだ。きっと周りが甘やかしていたのだろう。

「ところで、今回はなぜおねしょをした。ストレスの原因は」
「……別に、んなもん、ねえし」


 俺からカツアゲしようと絡んできたあの日から、かれこれ十年ほど経つ。あの時、力の差を“わからせ”すぎたのがいけなかったのかもしれない。

 ノリの悪癖は、あの時から始まったと聞く。俺のせいなのだ。彼がいい歳こいてお漏らしだのおねしょだのしてしまうのは、俺がビビらせすぎたあの日から……



「隠すな、ノリ。俺に隠し事をしたら――」
「わ、わかった、言うよ、言えばいいんだろ!」

 庭に出て、物干しに布団をひっかけた。日に照らされる地図模様。湿った香りは、彼のものだと思えば正直愛おしい。

 頬擦りしたいのをグッと我慢して、シーツを外しながら彼の弁解に耳を傾ける。

「お前が、出張とか行きやがるからだろ……」
「それが何だ」
「お前が! う、うう……お、俺を、さびしくするからだ! しね! しね、ばか! ばか旦那! ころす! 保険金かけてからぶっころしてやる! ばーか!」
「ふ……ノリ、力の差を考えろ」
「うっすら笑ってんじゃねえよ! このばか! ばかがよぉ……フンッ!」


 どうやら、寂しさが原因でおねしょをしてしまったようだ。いや、正確には、ずっと一人でいて寂しかったが、俺が帰ってきたうれしさのあまりおねしょを――つまり、うれションをしてしまったらしい。

「寝る前におしっこをしろと、いつも言ってるだろう」
「だって、昨日お前帰ってきてすぐ寝たじゃん。俺もいっしょに寝たくて、んで、だから、トイレ行く時間なかったし! お前ばかじゃね! まじでばか! 俺……俺、まんこほぐして待ってたのにさぁ……フンッ……」


 頭が悪いくせにいっぺんに喋ろうとするから、本音がダダ漏れになっている。愛しの妻♂を蔑む言葉を使いたくはないが、愛を込めて、あえて、“雑魚”と表現したい。

 彼のオツム、体、全てが雑魚。げきよわ雑魚メス。ああ、なんて愛らしいノリ。何があっても必ず守る。


「……すまなかった。パンツ、濡れたままで気持ち悪いだろう。綺麗にしてやる」
「……フンッ……うっせえし、ばーーか……えっなんで勃ってんだ? きっしょ!」


 背後から抱きしめて、そのまま体を押していく。ずっと家に閉じ込めているせいか、華奢で頼りない彼の体は少し押してやると簡単に動く。

「風呂、行くか」
「っ…… ん……し、しかた、ねえな……ったくよぉ……

 耳元で息を吹きかけながら言ってやると、細い腰がビクビクと震える。そのとき、彼のスウェットのシミが大きくなったのが見えた。

 灰色の生地は、どんなに少量のおもらしだろうと全て白日の下にさらしてくれる。


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