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陰キャ新人×性悪媚びマン上司2


「あれ、高ノ宮くんじゃないか! ははは、悪い子だなぁ、また媚びマンかい?」
「げっ……」


――――しまった、私という事が……


 弥生くんは半引きこもりだった世間知らずのガキだし、といつもよりホテルのランクを落としたのがまずかった。

 かつて媚びマンした事のある、取引先の部長と鉢合わせるとは。いつもなら、こういう事がないようにうまくやっているのに……


「今日は珍しいタイプのお相手だね。いつもザ・雄みたいな人を連れているのに」
「は、はあ……まあ」


 彼は私以外にもたくさんの愛人を持っているから、珍しく私に執着してこなかったのだ。金払いもイマイチだし、私としても媚びマンのし甲斐がなく、最近疎遠になっていた。
 だからといって情報収集を怠ってしまうなんて、ああ、私のうっかり屋さん!


「は……? え……? な、なに、知り合い、ですか……? 高ノ宮さん」
「いやぁ、高ノ宮くんの媚びマンはすごいよなあ。君も、あんまり入れ込まないよう気を付けたまえ」
「は……はっ!? え、なになになに媚び……マン……? はっ? は? は? は……?」
「おっと、足止めしてすまんね。じゃあね、高ノ宮くん、またお相手してくれよ」


 まずい――私は媚びマンする際、「あなただけに媚びています」というスタンスをとっているから、こういう事態は一番厄介だ。

 陽気な笑い声を零し、場をかき乱すだけかき乱して去っていったタヌキ親父の背中を睨み、私は次の一手を必死に考えていた。


「あ……あ……え……? は? た、高ノ宮さんは、僕の嫁なんだが……? 媚び、は……? は? え、ぼ、僕にだけやさしくて、僕に惚れている高ノ宮さ……はっ? こ、媚び、だったのか……? えっ、なんで……そんな、あなただけは、そういうのじゃないって、はあっ!? なっんだよそれ!? はあ"!?」

 青白い顔で取り乱している弥生くんは、頭を抱えてしゃがみ込んだ。
 この隙にとんずらするか、と踵を返すが、足首を掴まれて転んでしまう。

 安いラブホテルの床には、うっすらと埃が溜まっていた。
 ざらざらとした感触が、掌に食い込んでくる。


「……逃がさない……」




***




 パンッパンッパンッパンッ! パンッパンッパンッパンッ!

「お”ぉっ おへぇっ あぐぅっ あぅっ お”おっ お”ぉっ ゆ、ゆるし、て、ゆるひてぇっ ゆるひなしゃい、ぉ” 上司命令、れすよぉ”っ
「許さない……許さない……」
「お”……っ〜〜〜〜……あ” また、中出し……お”……

 びゅるるるるっ パンッパンッパンッパンッ ビューーッ ドピュッ……ドピュッ……びゅるるるるるるるっ


 目の色を変えた弥生くんは、入社式でオドオドしていた時とはまるで別人だ。
 前髪をうざったそうにかき上げ、「この雑魚メスがぁ……っ!」私の胸元に唾を吐きつける。


「あぅ、あぅ、あぅう……くぅううん…… ごめ、ごめんなしゃ ゆるひてっ ゆぅひてぇ…… うぐ……ぉ”……〜〜〜〜っ
「クソックソックソックソ……くっそ、クソクソクソクソ……ッいやだいやだいやだいやだ、僕の……僕の天使なんだ、高ノ宮さん……ちがう、ちがうよお”、媚びたりしないんだ、僕の事がすきなんだぁ……」
「あひぃいんっ や”……っいや”ぁ……効っくぅ〜〜っ あ”ぁあっ おまんこに効いちゃうっ 効いちゃうの”っほぉお〜〜っ
「はあっはあっはあっはあ……っ、クソッ……クソックソ、クソックソ……舐めんな! 舐めんな! 舐めてんのかよ! あぁ”!?」
「んふぅ……んぅ……んふぅう…… お”っ


 前髪がいなくなった額には、左右に走る大きな縫い傷があった。なるほど、これを隠すために髪を伸ばしていたらしい。私はオホオホと喘ぎながら、その傷痕に手を伸ばす。

「触んな」
「お”っ!?


 ぴしゃりと手を叩かれ、行く宛を失った手はそのままベッドに縫い付けられる。安いホテルはベッドも悪い。ギシギシと不安げな音を立て、今にもどこかが壊れそうだ。

「クソックソックソ……! 信じた僕が馬鹿だった……っ、高ノ宮さんは違うと思ったのに! てか処女じゃねえのかよ! 今まで精液臭い口で僕に喋りかけてたのか……クソックソックソ、僕にっ、僕に優しいフリをして、裏切ってきたやつらとは、違うって……この傷をつけてきたような奴らとは違うって……あ”ぁあ”ああ”ぁ〜〜〜〜もういやだもういやだもういやだ!」
「んぐぅ……っ!?!?!?」


――――こいつ、私の首を……絞まる、絞まる、まずい……っ!



 加減なしで絞められて、一瞬意識がプツリと途切れた。だがそのまま絞め続ける度胸はなかったのだろう、ハッと我に返った顔で「だ、大丈夫……?」なんて、震えた声で問いかけてくる。

「がは……っ、はあーーっはあーー……っ、大丈夫なわけ、ないでしょうが……! っく、媚びマン失敗……ええ、そうですよ、私は別にあなたなんて好きじゃない。社長の息子だから媚びマンしてさしあげたのです! フンッ!」
「あ……あ……あ……あぁあ……ああ……うそだ、高ノ宮さんは僕がすきなんだぁ……」
「ハッ! まんこでお茶が沸きますね! 私は誇りなど一切ない媚びマンリーマンです! 権力者にはマンすりゴマすりお手の物 勘違いなさったあなたがお馬鹿さんなので、ぉ”……っ!?」
「許さない……」

 パンッパンッパンッパンッ パンッパンッパンッパンッ
 ドチュドチュドチュドチュッ ドチュドチュドチュドチュッ

「許さない」
「ちょ、やめ、もうあなたに媚びマンしませ、ん”ぅーーっ やめ、絞める、な”ぁっ おっお”ぉっおっお”っ 効ぐぅ まんこに効ぐぅう〜〜っ

 酸欠でハイになってしまうっ まんこがさらに、気持ち良くなってしまうっ こんなイカれた陰キャ相手に、まんこが喜んだら……っ、さらに勘違いされて、面倒だ! さっさと逃げないといけないのに、ぉ”っ

「あっひぃんっ わか、わかりました許してくだしゃっ私が悪かったれすぅうんっ お”っ お”……っ んっほぉおお〜〜さすが私の弥生ぐんぅっ ちんぽ、しゅっご 王者のちんぽっ強者の雄っ ん、あ”、あ、あ、あ、あ! 私、このままでは、雑魚メスに堕ち……っぉおおお”…… 雑魚マンに……っ成り下がって、あひぃ しまいま、すぅ”〜〜っ
「許さない」
「んな”ぁ……っ!?」


――――媚びマンが、効かない……!?


 いや、私は媚びマン一本で上り詰めてきた媚びマンの申し子だ。この程度で諦めてなるものか。もっともっと媚びまんこ! 勝つまで粘るぞ媚びまんこ!


「んぐぉっ 首絞めやめっそれだけは、はひゅーーっ、はひゅーー……っ はあっ、はあ、弥生くん、私弥生くんの事がとっても大好きですよ ん、ほぉら、私のまんこも、しゅき、しゅきぃ……って あ、あ、ん、あんっ、んふ セックスも、お上手ぅ…… 童貞とは思えませぇん…… ぉ”……っ
「許さない」
「あ、あん、冷たい事言わないでくださいよう…… んっ、んぅ……そうだ、ラブハメしましょ、ラ・ブ・ハ・メ もっとやさしく、まんこを突いて……お”っ!? このド下手くそがっ! やさしくだっつってんだろぉ”っ!? あっあっあっあぁああん堕ちるぅ……

 パンッパンッパンッパンッ! パンッパンッパンッパンッ!
 ドチュドチュドチュドチュ! ドチュドチュドチュドチュ!


 一向に聞く耳を持たない彼は、暗い瞳で私を見下ろしながら無表情で揺さぶってくる。強い力で私の身体を押さえつけて、機械的に腰を振っているのだ。
 何の感情も介在していないかのように、うるさい雑魚メスを黙らせるかのように……ああっ 昔の社長とそっくり……


「や、よい、く……ぅ あ”……っはあ、はあーーっ……首、やめ、ひぅ、うう、ひぅう〜〜……ひっく、ひっく、ふぇえん……あっ……
「はっ……た、高ノ宮さん……?」
「う……えっ? あ、あぅ、こわいですよう、ふぇえん……


――――嘘だろ、媚びマンは聞かなかったのに泣き落としは効くのか!? しめた! いけいけ私! 押せ押せ私! 雑魚メスの涙はダイヤモンドだ!


「私、だぁいすきな弥生くんとは……ラブハメがしたいですぅ……くすん……」
「あ、あ、ぼ、僕は何を……えっ……ら、ラブハメ……!? あ、あの、えっでも僕童貞だしそんなのどうしたら、あっ、あ……あ、あの、あ……」
「んふ そのままパンパンして? やさしく、パンパン、パンパン…… んぅ 上手ぅ
「あっ あっ、あ、あぐ、う、うあ、イク……ッ」
「あんっ……あ、あ、あぁああんぅ


 さっきまでの人形のような彼は何だったのだろう。
 ともかく、我がダイヤモンド・メス泣きにより正気を取り戻した彼に、私は媚びマンを再開する。もう首を絞められる心配もないのだから、思う存分媚びてやるのだ


「あん あん あぁん んふぅ…… あ……っ 弥生くんのおちんちん、気持ちいいですぅ…… んふぅうん まんこに効っくぅ…… おまんこイックゥ……
「う、あ……っはあ、はあ、はあ……っ お、俺も、出る……っ っはあ、はあ、はあ……!」
「あ、あ、んぅ……


 私の唇をうまくとらえられず、顔をべちゃべちゃと舐めているがこれはキスのつもりだろうか? やはり童貞臭い芋ガキだ。勝ち誇った気持ちでメス潮を吹いた私に、彼はいつものぎこちない笑みで言った。


「い、今すぐ、寿退社しろよ……ひひっ……







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