寡黙むっつり×恐怖症持ち高飛車

寡黙むっつり×恐怖症持ち高飛車


※無様敗北雑魚メスまんこ
※体内放尿







「……先輩」
「はあ……っ、はあ……っ……何です、はあ……っ」


 今何階まで上っただろう。汗をぬぐいながら顔を上げると、”10”のオブジェがあった。

「N社の事務所は56階……無理ですよ、階段で行くなんて」
「う、うるさいですね……はあーー……っはあ……ーーっ……お前、何で平気な顔してんですかっ、フンッ、強がりですかっ」
「自分は……鍛えてますんで」
「フンッ……わ、私だって、はあ、鍛えて、はあ、いますし」


 週に一回、ジムでマンツーマンの指導を受けているのだ。最近は下半身強化のため、騎乗位スクワットなるものに励んでいる。
 イケメンインストラクターが私だけのために考えてくれた、私だけのスペシャルメニュー。

 昨日だって、目標の5ハメハメを大きく上回る7ハメハメを記録した。だから、たかが56階上る程度、涼しい顔でこなしてやるはずだったのに――――

「っはあーー、はあーー……もうだめ、きっつい……」

 荷物はすべて後輩に持たせているのに、もう足が上がらない。
 肩で息をしながら振り返ってみれば、岩城はいつもの無表情に汗一つ浮かべず、一歩一歩と私を追い抜いて行った。

「ちょ、ちょっと……! はあっ、待ちなさい、岩城、はあっ、はあっ」
「エレベーター、探してきます。先輩はそこで待ってて」
「待ちっ、待ちなしゃいっ! はぁーーっ、はあーー……っ、お、お前が、私を抱っこして運ぶというのはどうですかっ、ふうっ、ふう……き、鍛えているんでしょう? トレーニングの一環になってやっても、はあ、はあ、いいですけど、ふうっ……」
「……結構です」

 岩城は駆け足で階段を上り、廊下の向こうに消えていった。


 私は愕然とし、その場に座り込む。やつめ、後輩の癖に先輩の提案を一蹴しやがった。まだ有給休暇を10日しか貰っていないド新人が、12日も持っている私の言葉を、こちらの顔すら見ずに拒絶したのだ。

「あ……〜〜〜〜んのガキ……っ! フンッ!」

 一番腹が立つのは、今日初めて階段を上るかのように軽やかに進み、私を置き去りにした事だ。これは上司に報告案件である。上司たちには媚びマン済みだから、皆私の味方になってくれるずだ。

――――ざまあないですね……岩城、もう会社にお前の居場所はない……この私をコケにした報いです!


「先輩」
「ハッ……な、なんだ、もう戻ってきたんですか」
「さっきから声かけてましたけど……そこ、エレベーターがありました。行きますよ」
「いいえ! エレベーターには乗りません。お前が抱っこして私を運びなさい」

 抱っこしやすいように両手を差し出してやれば、彼は片手で頭を抱えて溜め息をついた。またしても失礼な態度。これは上司だけでなく、社長(もちろん媚びマン済み)にも要報告だ。

「……嫌です……時間もないし……ほら」
「なっ、嫌ですって!? こらっ、引っ張るな、あ、あぁ……っ」
「先輩、すっげえいい匂いするんで……なんで、抱っことか無理っす……」
「え…… んふ、なぁんだそういうこと……仕方ないので社長報告は勘弁してやりましょう……んふ え、あ、ちょっと待ちなさい乗りませんよ? 乗りませ、あっ」


――――乗ってしまった……

 無慈悲な速度で閉まった鉄の扉は、指一本挟む隙間すらない。しかも後ろはガラス仕様で、真下も真上も良く見える。ああ、いけない、いけない……


 高いところも狭いところも大嫌いだ。頭が真っ白になって、血の気が引く。
 フラフラとよろけていると、私の顔色の悪さに気づいたのか、岩城が上から覗き込んできた。

 いつも私の後ろを歩かせているから気付かなかったが、私より頭一個分以上大きいなんてどういうことだ。そういえば彼、自動販売機の天井が見えるとか言っていた。いやだ、余計に狭くなる、圧迫感が……遠近感が……

「……先輩? 先輩……先輩!」
「うう……」
「もしかして、エレベーターが苦手……ですか? それで階段で行こうと……?」
「ふん……今更気づいたって、遅いです……ふん……」
「……すみません、アポの時間に遅れると思って……あ?」
「ひぃっ!? 何です、今の揺れ!」

 エレベーターで生じるはずのない、横からくるような揺れ。ギシギシと数回歪な音が聞こえたと思えば、特有の浮遊感が消えた。

「……30階と31階の境目で停止したっぽいです。開かねえし……」
「わざわざ言わなくても分かります!」
「……先輩、そんなに抱き着かなくても大丈夫っすよ……すぐに助けを呼ぶんで」
「あっ……こ、これは……うう……いけませんか!? ぎゅってしたらいけないのですか!?」
「いや、その……いけなくはないです……うっす……」
「フンッ!」


 膝が震えて尻餅をつきそうになって、思わず抱き着いてしまった。だが、ここでオドオドしたら舐められてしまう。私は先輩としての矜持を保つべく、凛々しい態度を貫かんと声を張り上げた。

「ふん……こ、こんなの、全然平気ですけどね! ふん……あっ、ひぃっ! また揺れ……うう、高いよぉ……ひぃ……」

 見ないでおこうとしても視界に入ってくる、遠い地面と薄い青色の空。いけない、また意識が遠くなる。

 クラクラと目が回り、抱き着く腕から力が抜ける。インストラクターの先生よりも逞しい身体が、私から離れていく――――このままガラスを突き破って落ちるんだ。そう思ったとき、視界が真っ暗になった。

「怖いんなら見なきゃいいのに……見ちまうってんなら、目ぇ塞いでてやりますから、とにかく落ち着いてくださいって……」
「あ……あ……いやぁ〜〜! 暗いっ暗いの怖いですっいやっいやっ! たすけて、お兄ちゃぁあんっ……ひぃいいん……っ」
「暗いのもダメなんすか」
「あ……あ……ばかっ! 抱っこしなさい! 抱っこしなさいぃ!」
「うっす……」


――――ハッ! いけない、ついお兄ちゃんに助けを求めてしまった……でも岩城は何も言っていないし、聞こえていない?

 さっき私の視界を暗くしたのは、おそらく彼の手だ。掌が大きくて指が太いから、熊にでも顔面を鷲掴みされたのかと思って焦った。
 その上何も見えなくなるものだから、未だに心臓がバクバクしている。ああ、こんなに動揺するのはいつぶりだろう。

「先輩って、苦手なものが多いんすね……暗いのと狭いのと高いのは無理、何だったら平気なんだ……?」
「そ、それは……んぅ…… それは、ですねぇ……んぅ……んっ……んぅう……
「え? 何して……?」

 
 パニックを起こして泣き出しそうな心を鎮める時、私はいつもまんこを触る。今なんて、苦手なもののトリプルパンチだ。

 まんこを触れば、リラックスできる。触らずには、いられない。


「好きなのは、太くて、硬くて、熱いの……ですかね


 おまたを開き、スーツの上からカリカリと爪の先でまんこを弄る私を見て、岩城が目を丸くしている。

 そうだ、こいつは後輩なのだから、偉そうに私を見下すなんて許さない。
 恥ずかしそうに俯いて、いつも以上に口数を減らし、ドギマギしているべきなのだ


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