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サイコ陽キャ×彼氏持ち平凡顔高飛車2



 こいつの、こういう病的に根明なところが本当に大嫌いだ。

「あ”ぁあん……っ いや”ぁっ やめっ やめへぇえっ
「可哀想に、犬にでも噛まれたのか? 噛み跡だらけだ……っはあ……っ
「ちがぁっ だから彼っ彼氏にぃ”っ 僕の彼氏がぁあっ

 パンッパンッパンッパンッ パンッパンッパンッパンッ
 ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ

 胸元にあるキスマークと歯型を指差して強調してみるも、空井は「悪い犬だな」と笑うだけだった。違う、僕が言いたいのは、僕には心に決めた彼がいるという事なのにっ


「俺が、上書きしてやるからなっ
「んひぃいっ や”だぁっ 光くん助け……っやだぁっ光くんの跡っ 消さないでっ 最低っ最低っ大嫌いっお前なんか大嫌いぃ”いっ
「……悪い犬に、ひどい事されたんだなっ 俺が嫌いなんて嘘、ついちゃうくらいショックだったんだなぁ……っ


 空井は目の色を少しだけ暗くして、僕の乳首に吸い付いた。ぢゅうううっ と前歯で齧りながら吸引されて、ちゅぽんっ ぢゅうううううっ ちゅぽんっ 彼の温かい口の中と、ひんやりとした外気。交互にさらされ、結論から言うと僕は今メスイキしている。


「ん”……〜〜〜〜……っ ぐぅう〜〜……っ くぅうう……っ ふーー……っ ふーー……っ ん”んんんん”ぅ〜〜……っ
「ん、どうした? もしかしてイってるのか? かわいいなあ、星川は
「イ、っ、でな"い"ぃぃひぃい……っ


 ここは国内屈指の機械メーカーで、うちの会社では一番大きな取引先だ。粗相など絶対に許されないのに、僕は今、そんな会社の、しかも洒落た花瓶が置いてあるピカピカの商談室で、メスイキをしてしまっている。

――――でも、絶対に悟られてたまるか……っ! サイレントメスイキだ! サイレントメスイキしろ、僕……っ!


「ん……ぐっぅう……っ はぁんっ ん、んぐ……〜〜〜〜っ ん……ふーー……んぅ……ふーーっ
「我慢するなよ、ほら、唇噛むな……ほーらっ
「は? はぁあ? イッてま”せんがっ全然っイッてま せ ん”〜〜っ がっ おぉお”……っ お……っぐぅ"っ あぁあっ あぁ"っ声でひゃうっ でひゃうっ あぐ、あっあっあっあっ おほぉっ んっほぉおっ

 口に手を突っ込まれ、強制的に開かされる。舌の先端をコスコス 撫でられると、僕はオホ声が止まらなくなってしまう 爪でカリカリ、されたらぁああ〜〜……っ

「っ星川……っ はは、こんなところが気持ちいいのかっ? なあ、なあってば、なあ星川っ か、彼氏の手は、やっぱり気持ちいいんだなぁ

 だが、彼は意外にも拙かった。もっと遊び慣れているのかと思いきや、セックスのレパートリーは少ないですとばかりに一定のリズムでピストンをするだけ。そして馬鹿の一つ覚えみたいに、僕がたまたま反応を示した舌先をくすぐってくる。

「んはぅ……はへへぇぉお……っやめ、はへへ…… はふぅ……はふぅ……

 こんなの、中学時代の光くんよりもひどい 中学生以下の、クソ雑魚テクニック
 もう10年以上ド淫乱として躾けられた僕でなければ、こんなにトロトロになったりしないだろう。

「ん"……っふぅ……っんふぅ……っ んぅ……んぅっ……ふぅうう…………っ


 でも僕は、彼氏とずっとラブラブゆえにマゾメスド淫乱……っ ちがう、ちがう、こんなの光くんのちんぽじゃないのにっ こんな甘噛み、感じないはずなのにっ


「ひ、ひかる、くぅ……あ”……はぁ……っ(やだやだやだっ メスイキおさまらない……っ 光くんが、長年かけて僕の体、じっくり開発するから……っ 背中は最近開発されたけど、それ以外はとっくに性器になってるしっ しかもまんこなんて一番弱いところ、突かれたら……ぁあっ乳首も弱いからぁっ)」

 ぷしゅっ ぷしゅっ ぷしゃああっ

「おほぉ……っ

 おしっこはある程度我慢できるが、潮は我慢できない 僕自身にも、いつ湧き上がってくるのかがわからないのだから

「はあっはあっ星川、す、すげえっ 潮吹いてるっ はあっはあっはあっはぁっ すげ、すげえなぁ……っ
「うぅ……あんっ ちょ、調子に、乗らないでっくださっ 僕はマゾメスだからこんなの当たり前ですっ あなたにはテクも何もあったもんじゃないっ この下手くそっ あんっ さては童貞ですねぇっ? おっ? んおっ? ちょ、だめ、そこはっ あぁあんっ んぐっ何でもありませ、んぅ…… んぅん……っ

 パンッパンッパンッパンッ パンッパンッパンッパンッ

 ぬちゅっ ぬちゅっ ぬちゅっ ぬちゅっ

「あーー……あはは、やっぱ下手か? バレた、恥ずかしいな……はあ……っ……はあ……っ
「えっ本当に童貞、あっ? おっ? んおっ? あ お んぉ"お"っ はふっ うそっ、あなたみたいなのはっ あ、遊びまくってるヤリチンじゃ、んぅうっ
「はあ……っ はあ……っ 違うよ俺、初めて……ふーー……っふーー……っ
「はっ? えっ? え、あんっ やめ、やめなさっあぅうっ んっ、くぅぅううん……っ(やばいやばいやばいっ まだメスイキ終わってないのにっ 次の波が来るっ 深い深いメスイキ、がぁあ"ぁ……っ)」

 ピンッ と足を伸ばして爪先を丸めると、空井はよだれを垂らしながら笑い、激しく腰を打ち付けてきた。光くんならここで追い討ちの言葉責めの一つや二つくれるものだが、空井にはそういう余裕が見えない。

 無言で、ただひたすら 聞こえるのはパンパンッパンパンッというつまらないセックスの音だけ こんな下手くそで中学生みたいなセックス、僕ほどの淫乱だからギリギリアヘアヘできるというものだ 僕でなければ、あくびが出るほどの平凡なセックス……

 どうしてだ、こいつは常にスクールカースト上位で、より取り見取りだったはずなのに、なんで……っ


「星川、星川……っん、ぐ、出る……っ
「ぃ"、やぁっいやですぅっ! や"ぁ……っ 中出しは彼氏だけっです、ぉ"…… 調子に乗るなっクソ雑魚童貞っおっお”っお”っおぉお”っ んほぉ…… 何このザーメン、ドロッとしてるぅ……っ

――――あ、またお潮がぁ……

ぷしゃっ ぷしゃっ しょろろろろろろ……ぷしゃああぁっ


 彼氏以外に中出しされたことのない僕は、初めての感覚に戸惑っていた。中出しというのはもっと、ビュルルルッ ドプッ ドプッ とまんこに叩きつけるようなものではないのか。
 孕め孕めとまんこを割り開き、結腸目掛けて元気に精液を走らせるため、勢いのあるものではないのか。

「ひぃいん……っ なに、これぇ……っ きっ、きもち、わるい、ですぅう……っ ぉお"っ
「はあ……っ でも、星川、はあ……っ すごいな、お前のちんぽ、ずっと潮吹いてる……はあーー……っ 壊れた蛇口みたいに、チョロチョロ出てる……っ
「おほぉ…… んほぉ……

 ドッロォ……ジッワァ……ドロォ……ドプッ……ジンワァアア……ジワァ…………


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜くぅ……っ ひっく、う、うう……っ いやですぅ……らにっ……なにこれぇ……はう きもちわるいですぅ……うう、僕のまんこに、変なもの出さないれぇ……っ
「変なものって何だよ、俺、今日のためにオナ禁して、江藤を他部署に飛ばして、大変だったんだからなぁ……あぁ星川、はあ……っ はあ……っ星川、星川ぁ……
「ひぅ……


 僕の声が外に漏れていないわけがない。なのに、なぜ誰も来ないのだろう。明らかに予定より長く居るのに、誰も不審がらないのはどうして。

「俺はな、昔から何でも持ってたからさ……」
「あぁあん……っ やだっ! やだ、いやっ! キスは本当にいや、いやぁあ……っん、んぅうう……〜〜〜〜っん、ん! んん、んぅう! んぅんぅ〜〜〜〜〜〜〜〜っ

 ドロドロ精液の侵略が止まったと思えば、口の中に荒い吐息ごと舌が潜り込んできた。

 僕の舌先にべったりと絡み付き、唾液を渡してくる。何かの生き物が暴れているみたいに、執拗に口内を探られる。

「んぐ、おっ ぉ"……っん"ぅ〜〜〜〜……っ ひっく、う、ううっ、ひっく、ふぇ、うう、うぁあんっ んあっんあっ ぷはぁっ はあーーっ あ"っ! あ"っ! あへぇ〜〜〜〜……〜〜〜〜…………っ!
「はあっ はあっ だからなっ 何も持ってないくせに偉そうな星川がっ なんかこう、なんか……〜〜〜〜っ こう、すっげえ馬鹿みたいでっ すっっっっっげえ可愛くてさぁあ〜〜〜〜っ はあっ……はあっ……はあっ……はあっ……


 そうだ、彼は、ここの社長の息子だった。
 いくら僕が首を振っても、ここには空井に従うやつしかいない。

「〜〜〜〜きらいぃっ きらいらもん"んんぅ……っ
「俺も大好きだっ ああまた出る……っ 出るっ っく 出すぞっ 出すっ 孕めっ 絶対孕めっ
「まんこにっ僕のまんこにっ 変なの出さないれぇえっ

 ドプッ……ドロォ……
 ドプッ……ドプッ……ジワァ……


 食べ物に例えるのはよくないかもしれないけれど、固まりかけのチーズみたいな粘度――お腹がポコッと膨らんでいる。しゃくりあげる僕の涙を舐めながら、彼は愛おしそうにその膨らみを撫でてきた。


「うん、うん、そうだな、中学から……うん! 俺たち、長く付き合ってた気がしてきたよ! 思い出したよ! 星川、俺とお前はずっと恋人同士だったな!」


 自分にそう言い聞かせるように、空井は何度も頷いていた。
 
 噛み跡だらけの熟れた身体をじっと見つめる、彼のその目は卒業式の時と同じだった。






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